成長するVinFastに暗雲?アメリカで起きた充電24時間問題
ベトナムの自動車メーカー、VinFast(ビンファスト)についてのブログを書いたのは2年前でした。
米NASDAQに上場した初日に株価は高騰し、時価総額が850億ドルに達して、時価総額はGMやフォードを超えたそうです、一瞬ですが…。
極短期間850億ドルだった時価総額は、最近のデータでは約75.5億ドルです。
思ったより善戦していたVinFast
中国EVメーカーと言う強力なライバルが存在する中、VinFastは当初の予想より善戦していると思います。VinFastは、親会社のビングループが充電インフラや金融、デジタルプラットフォームまで展開する包括的なエコシステムを構築しているので、ベトナム国内では競合他社に比べて圧倒的に有利な立場にあります。また、ベトナム政府が掲げる国家戦略Made in Vietnam 4.0と強く連動していて、政府からの税制優遇や国内メーカー優遇策などの強力な支援を受けています。
VinFastは自国のベトナムでシェアを獲得しながら、インドネシア、インドでも販売台数を伸ばします。
中国メーカーと比べた非中国製の利点
VinFastは、中国EVメーカーと比べて、明確な技術的・量産的な優位性を持っているとは言えません。それでも善戦しているのは、「中国製ではない」からだと思います。中国製品に否定的な感情や規制を持つ市場においては、ベトナムのVinFastは大きな潜在的優位性となり、市場に潜り込みやすいのではないでしょうか。インドで販売台数が伸びているのは、インド市場がベトナム製を受け入れやすいからでしょう。
雲行きが怪しくなるVinFast
VinFastは順調に販売台数を伸ばして成長していますが、依然として大規模な赤字を計上しています。2026年末までに世界全体で黒字化を達成することを目標として掲げていました。VinFastの経営戦略の最重要課題は、早期の黒字化と言えます。しかし、ちょっとその目標達成の雲行きが怪しくなる問題が浮上しました。その問題はアメリカで起こりました。
充電に24時間?訴訟問題に
アメリカで、VinFastのVF 8 Plus AWD(2024年モデル)のオーナーが、充電性能に虚偽表示があったとして、米国カリフォルニア中部地区連邦裁判所で集団訴訟を起こしました。虚偽表示と指摘されているのは充電容量です。宣伝やカタログでは、充電容量が6.6kWとされていました。しかし、実際は2kW未満の容量しか出ない場合があり、満充電に約24時間もかかるのでEVとしての実用性を著しく損なっている、という内容。
ソフトウェア不具合で、32Aの充電器を使うと充電が 警告なしに突然停止してしまうので、オーナーは充電状況を確認するまでその充電停止に気づけません。このトラブル回避するには32Aから19A以下に手動切り替えする必要があり、充電時間が大幅に長くなるそうです。
修理ができない
VF 8 Plus AWDの充電トラブル、メーカーが修理できれば何も問題にはならなかったと思います。ところが、原告が何度もVinFastのディーラーに持ち込むも改善しませんでした。ハードウェアの故障であれば、部品を交換すれば修理は完了しまが、複雑な車載システム内のトラブルで修理が困難になっているのでしょうか。
「仲裁条項」を盾に争う構えの VinFast
今回の訴訟を起こされた VinFastですが、VinFast側は契約時に仲裁(Arbitration)に同意しているため訴訟できないと主張。裁判官は、VinFastが主張する仲裁条項を有効と見なし、個々のオーナーの請求については仲裁手続きを進めるよう指示しました。VinFastが仲裁条項を盾として使用したことによって、消費者は不信感を抱きます。先進国でのシェアを獲得にはまだ課題がありそうですね。
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