タイヤ市場は構造的に価格が上昇しやすい

2025年4月26日

今年は…、と言うか今年もタイヤの値上げラッシュです。

値上げ幅は、ざっと調べただけでもこんなにも

・ミシュラン:5%~8%
・ピレリ:平均5%
・コンチネンタル:平均5%
・ダンロップ/ファルケン:最大8%
・ブリジストン:6%~8%
・横浜ゴム:5%~8%
・トーヨータイヤ:最大10%
・ハンコック:平均5%

値上げの主な原因は原材料価格の高騰、物流コストの増加、製造コストの増加、環境規制対応のコスト増加。

しかし、タイヤ市場は構造的に価格が上昇しやすい傾向があります。ここ最近、毎年のようにタイヤ価格上昇のニュースを聞いているような気がしませんか?価格がここまでスムーズに上昇を繰り返すって不自然、なんか見えない力が働いているんじゃないの?と考えるのが妥当。その見えない力とは市場の寡占化

タイヤの製造は、長年の研究開発で得た知識や実績が必須です。製造設備にも莫大な初期投資が必要で、品質管理にも専門知識が必要で、コストもかかりますので、新規参入が極めて困難な業界と言えます。

2023年のタイヤの世界シェアは、以下の5社だけで約50%を占めています。

シェアランク 企業名 市場シェア(%)
1 ミシュラン 14.4〜15.1
2 ブリヂストン 13.3〜14.2
3 グッドイヤー 9.0〜9.6
4 コンチネンタル 6.5〜6.7
5 ピレリ 3.6〜3.7

日本のメーカーのブリジストンが2位です。

・6位 住友ゴム工業(ダンロップとファルケン): 3.7~3.8%
・8位 横浜ゴム:3.1~3.2%
・11位 トーヨータイヤ:1.9%

タイヤの市場シェアランキング上位企業が値上げを発表すると、他のタイヤメーカーも追随して値上げを発表することが多いですね。これは寡占化の影響が少なからずある…、はずです。

タイヤ市場は寡占化が進んでいる一方、その寡占市場内で熾烈な競争が繰り広げられています。競争と言っても、価格競争で殴り合ってしまうとコスト削減にリソースを費やし、技術革新が遅れてしまう恐れがあります。タイヤ業界は、非価格競争によって品質が保たれているのです。

今後の中国メーカーの台頭によって、市場の勢力図が大きく変わる可能性もあるので、市場シェアランキング上位のタイヤメーカーでも寡占=安泰とは思っていなないはず。むしろ常に危機感を持っているのではないでしょうか。


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