ベントレーの販売台数が減った興味深い理由
英国の高級自動車メーカーのベントレー。
日本でも時々新型ベントレーが走っいる姿を見かけますが、ベントレーを選択する人はどんな人なんだろう…、と思いながら優雅に走る姿を見ています。
そんなベントレー、2023年の世界販売台数が2022年よりも11%減少しました。
世界では11%減少していますが、日本は増えています。今年の2/7のYahooニュースでは、日本の販売台数は3年連続で最高記録達成中
このYahooニュースの記事では、
「ベントレーの成功は台数より収益性への舵取りに成功したから!?」
「台数より収益性への舵取りに成功したのが2023年だったのかもしれない。」
と書かれていますが、視点が異なるベントレーのCEO エイドリアン・ホールマーク氏の考え方はこうです。
エイドリアン・ホールマーク氏曰く、
「emotional sensitivity により需要が鈍化した」
これだとちょっと分かりにくいと思いますが、平たく言うと見栄っ張りが少なくなったから。ベントレーを購入できる余裕のある富裕層は増えているはずですが、買い控えている理由がそこにあるようです。
今、中国や英国は経済状況が苦しい人が多くなっているそうです。また、ウクライナやイスラエル・パレスチナ等、世界情勢が不確実性を増していることも少なからずも影響している可能性があるとか。
社会格差や環境問題等への意識が高まり、富裕層が倫理的な観点から過剰な消費を控える傾向が強まっているのでは?
と言う考え方。
だからと言ってベントレーの経営状況が悪くなった訳ではありません。ベントレーにはMullinerと呼ばれているビスポーク部門があります。BMWのインディビデュアル、メルセデス・ベンツのデジーノのように、カスタマイズオーダーで購入者の好みに合わせた特別なオーダーができる部門です。
ベントレーは販売台数が減っていても、Mullinerからのカスタマイズオプションで大きな収益が出ているようです。
ボディカラーやインテリアカラー、材質変更は当たり前のようにできます。国によって違いはあると思いますが、高級葉巻を収納できるシガーケース、カトラリーや高級な食器がセットになっているピクニックセット等、趣味を充実させるためのオプションも用意されています。
また、乗馬や釣り、犬の散歩が好きな人用に”アウトドア追求コレクション”なるカスタマイズもできるので、意外かもしれませんがアウトドア派の方でも購入の選択肢に入るのがベントレー。
Mullinerのフィッシングセットなんて、「ぱっと見」では釣具に見えないですね…
また、1位のアメリカに次いでベントレーの販売台数が多い中国はでは、2022年にベントレーが中国進出20周年を祝って設定された特別なカスタマイズ、チャイナコレクションがあります。中国人顧客向けのカスタマイズオプションで、ベース車両価格に加え、Mullinerでのカスタマイズに数千万円の追加費用が発生するそうです。
ただ、中国では2023年の販売台数は前年比18%減。アメリカと日本は販売台数が増えています。
因みに、CoCo壱番屋のカレーはトッピングでカスタマイズできますが、その組み合わせは12億通り程あるそうです。
ベントレーのMullinerでのカスタマイズもかなりの組み合わせがあると思いますが、Mullinerの凄いところは、顧客自身が持ち込んだアイデアを組み込むこともできること。具体的にどんなことが可能でどんなことが不可能なのかは分かりませんが、例えば
「自分の好きな宝石をダッシュパネルに散りばめて欲しい」
とオーダーすれば、機能や安全性を損なわないならやってくれると思います。
「シートにタコの刺繍を入れて」
と言えばやってくれるかもしれません。
イレギュラーなオーダーは、それなりの大金を積む必要があると思いますが。
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