中東向け輸出9割減でも自動車輸出は好調。行き場を失った中古車の行方は?

2026年5月22日

日本の財務省が発表した貿易統計で、2026年4月の日本から中東への自動車輸出台数が激減(94.2%減)したことが明らかになりました。その原因は中東での戦争による船舶輸送の混乱です。

以下の表は2026年4月の自動車の貿易統計です。

地域 数量(台数 / 前年同月比) 金額(価額 / 前年同月比) 備考・特徴
世界全体 (WORLD) 1兆7,243億円 (+11.2%) 世界全体では金額ベースで2桁増と好調
中東 (MIDDLE EAST) 1,842台 (▲94.2%) 52億円 (▲93.8%) 数量・金額ともに9割以上の壊滅的減少
米国 (USA) 132,450台 (+8.7%) 5,841億円 (+14.5%) 数量・金額ともに堅調な伸び
EU (EU) 84,120台 (+38.5%) 3,214億円 (+48.2%) 金額ベースで約1.5倍と非常に強い伸び
アジア (ASIA) 42,310台 (▲5.2%) 1,485億円 (+2.1%) 数量は微減だが、円安等の影響か金額はプラス
中国 (CHINA) 18,450台 (+1.4%) 823億円 (+6.8%) 大きな変動はなく横ばい〜微増

中東が9割以上減少していますが、米国やEUで新車のハイブリッド(HEV)・PHEVが絶好調で集中出荷されたことに加え、円安の影響もあって、中東分のマイナスを金額ベースで完全にカバーしました。中東に輸出されていた車両は中古車も多かった一方、米国やEUは単価の高いハイブリッド車やPHEVの新車メインだったこともプラスになった要因と言えます。

日本の中古車はどこに行った?

では、今まで大量にドバイに輸出されていた中古車はどこに行ったのでしょうか。

  1. 滞留
    中東という行き場を失った中古車は、港湾ヤード、各地にあるブローカーのヤードに滞留していると思われます。また、一部はオートオークション会場にも滞留しているようです。他にも輸出が難しいので、今まで輸出目的で仕入れていた中古車販売店が、店頭在庫にしている車両も一部存在すると思われます。
  2. ドバイ経由→直送へ
    今までドバイに輸出されていた日本の中古車は、アフリカや中東、中央アジア、ロシア等に輸送されていました。ドバイ経由が封印されている今、アフリカへの直送する等、代替ルートを構築しているようです。

一部はキプロスに行ったとの情報も。

簡単ではない直送ルート

ドバイのルートが封印されたのであれば、その先に輸出されていたアフリカやロシア、中央アジアに「直送すれば良いじゃん。」

と思われるかもしれませんが、複雑な事情があって簡単にはできません。

ドバイ経由は

  • 関税・制度面の柔軟性
    再輸出前提の税制と通関制度、左ハンドル化(興味深いサイトです)等。
  • 資金力豊富な強力なバイヤーの存在
  • 最先端のデジタル管理された港
  • 安全性の高いロケーション

が揃っていました。輸出は商習慣や金融・規制・人脈で成立している部分が大きいので、直送ルート構築は容易ではありません。

これらの影響は、日本国内の中古車相場にも出てくるはずです。


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