K字型経済が中国車需要を拡大する?
アメリカで販売されている新車の平均価格は47,000ドル(日本円で約740万円)に達しています。自動車メーカーが低価格モデルを減らし、利幅の大きな高価格車の販売に重点を移しているのです。以前のブログでも書きましたが、アメリカ市場において自動車メーカーは低・中所得層の排除する動きが明確に現れていると言えます。
上記のブログでは”K字型格差“を使用していましたが、今回は経済システム全体の構造を示すK字型経済という言葉を用いて解説します。
高価格化による自動車メーカーにとってのリスク
日本では、マクドナルドやカレーハウスCoCo壱番屋は、客数を減らしてでも客単価を上げることで利益を増やす戦略を成功させました。
「薄利多売から高利少売にすれば利益が増える、つまり自動車メーカーの高価格化は正解だ!」
と思われるかもしれません。しかし、自動車業界においては長期的に見るとこの戦略は諸刃の剣です。その理由は中国自動車メーカーの存在です。
K字型経済が中国自動車メーカーにとってチャンスになる
欧米や日本の既存メーカーが薄利多売から脱却し、高利少売(プレミアム化)することによって、新車を買えない層という巨大な空白地帯を作り出します。その空白地帯を狙うのが中国自動車メーカーです。
マクドナルドやカレーハウスCoCo壱番屋が値上げしても、低収入であろうが頑張れば食べられますよね?
しかし、自動車はハンバーガーやカレーライスと違い、高価格の新車は背伸びしても買えない、あるいはいろいろ犠牲を伴う節約をしないと買えない層が多く存在します。また、飲食店は原材料や人件費が高騰すれば競合も値上げします。ところが欧米や日本の自動車メーカーが値上げしても、中国の自動車メーカーは新車価格を安価に設定してきます。
中国車の「ありかも」が怖い
テレビやネットで「ありかも、BYD」のキャッチコピーの CMを出しているBYD。この、ありかもが怖いのです。
今のアメリカの若年層(特にZ世代やミレニアル世代の後半)の多くは、K字型経済のボトム層(下向きの線)に位置しています。彼らが低価格の中国車に乗り「普通に使えるじゃん」「ありかも」と感じたら、「次もわざわざ高い車を買わなくても中国車で良い」と思うことでしょう。実際、アメリカでは若い人程中国車に対する抵抗が少ないと言われています。
プレミアム化は厳しい椅子取りゲーム
K字型経済のボトム層(大衆層)より富裕層(上向きの線)の方が圧倒的に人数は少ないです。プレミアム化(高利少売)は個別の企業の利益率を上げる戦術としては正しいと思いますが、その小さなマーケットを多くの自動車メーカーがターゲットにすれば、壮絶な椅子取りゲームになることは避けられません。
残酷なプレミアム化ブーム
企業では
「我が社も車両価格を上げて高収益化を目指そう!」
のようなことをミーティングで話をしていたかもしれませんが、確かに「高い利益率」はとても魅力的な言葉。しかし、プレミアム化のブームは一握りの勝者と居場所を失う多くの敗者を極端に分断し、残酷な淘汰を引き起こす可能性があるのです。
個人的な意見ですが、日産は北米で低価格車の販売を続けたほうが良かった気がします。日産は去年の12月に北米向けの低価格車Versaの生産を終了しました。このままだとアメリカの若者の新車の選択肢が中国車だけになってしまうからです。近年いろんな自動車メーカーがプレミアム路線を目指しているという事は、その反対は競争相手が少ないブルーオーシャンです。日産のアライアンス内のダチアがそのブルーオーシャンに残っていますね。中国メーカーに食い尽くされるのであれば、あえてそこで勝負するのも有りかもしれません。
好きな車と、暮らそう。
AUTORIESEN
052-774-6151
サービス工場Blog
車検、点検、整備のあれこれを毎日更新!
熟練のメカニックの匠の技をご覧頂になれます。





