AdBlue車オーナー必見!悪名高いP20●●系トラブル(P20E8など)と結晶化対策

2025年11月16日

欧州の排ガス規制がユーロ6になった頃からでしょうか、ディーゼル車に尿素SCRシステムが搭載されるようになりました。尿素SCRシステムとは、ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)を、尿素水(AdBlue)を使って無害な窒素と水に化学的に変換するシステムです。


AdBlue関連の故障は修理費用が高い

AdBlue関連の故障は、高額修理になることが多いです。ポンプ、圧力センサー、液面センサー、そしてこれらを制御する回路基板が、AdBlueタンクユニットアッセンブリになっていることが多いからです。清掃や洗浄で復旧できる場合もありますし、ポンプや圧力センサー単体で交換できる車種も存在するので、全ての修理が高額になるとは限りませんが、それでも最低数万円~の修理になると思います。AdBlueタンクユニットアッセンブリの場合は20万円~50万円程度の費用になることも珍しくありません。


悪名高い故障コードP20**

日本にはAdBlueを使用する乗用車は少ないのですが、欧州ではAdBlueの結晶化に起因するトラブルがかなり多いそうです。トラブルが発生してコンピューター診断を行い、P20E8、P20E9、P204F、P20F6、P207F、P20EE、P20EF、P208E、P208F、P218Fのような故障コードが入っていたら、高額な修理費用になる可能性を覚悟しなければなりません。

この中で結晶化による最も典型的な故障コードがP20E8です。AdBlueの結晶化によってラインやインジェクターが詰まり、圧力が下がって起こる故障です。また、P20E9は結晶化によって配管の出口側が詰まることにより、圧力が異常に高くなって起こる故障で、これも結晶化が主な原因となるコードです。


なぜAdBlueは結晶化するのか?

故障を招くAdBlueの結晶化はなぜ発生するのでしょうか。

1. 水分の蒸発による濃度の飽和

AdBlueは32.5%の尿素と67.5%の水の混合液です。結晶化の最も根本的な原因は、この水が蒸発することです。

  • 高温の影響: タンク内や配管内が高温にさらされると、水分の蒸発が進みます。水分が減ることで溶液中の尿素濃度が上昇し、溶けきれなくなった尿素が固体として残り結晶になる。

2. 空気との接触

  • 開放環境: AdBlueシステムは、タンクの圧力を調整するために通気口を持っています。また、排気管に噴射するインジェクターノズルも排気にさらされます。これらが空気と接触する箇所では、尿素水が薄い層になって水分が短時間で蒸発し、結晶化が起こる。

3. 低温環境での不完全な動作

  • システム停止時の残留: エンジン停止後、配管内のAdBlueをタンクに戻しますが(パージング)、マイナス11度以下の低温やシステムの不具合等が原因でパージが不完全だと、配管やノズルに尿素水が残留してそれが結晶化する。


AdBlueの結晶化をどう防ぐか

AdBlueを使用するディーゼル車は、AdBlueの結晶化を予防するために日頃から意識することが重要です。

  1. AdBlueタンクを空にしない、できれば1/2以上キープ
    AdBlueタンクの空間が広くなると蒸発 → 濃縮が進みます。特に夏は蒸発・濃縮、冬は凍結・析出のリスクが高まるため、できれば1/2以上キープしたほうが良いと言われています。
  2. 長期間放置を避ける
    AdBlueは時間とともに水が蒸発し、結晶化が進みます。乗らない期間が長くても、1週間に一度はエンジンをかけてSCRシステムを動かすと良いでしょう。できれば走行させたほうが良いです、それも短距離ばかりでは結晶化しやすくなるので長距離。
  3. 猛暑日の炎天下は要注意
    これはなかなか防ぐことが難しいかもしれませんが、最近の猛暑日はAdBlueの大敵です。高温になるとAdBlueは品質劣化が加速するとされています。屋外駐車しか選択肢がない場合は、特にタンク内に空間ができないよう残量に気を使い、定期的に車を動かしたほうが良いでしょう。
  4. 安すぎるAdBlueに要注意、保管にも注意
    AdBlueは規格物ですが、残念ながら品質にばらつきが生じる可能性はあります。極端に安価なAdBlueは使用を避けたほうが良いでしょう。また、AdBlueは30度以上の気温になると劣化が早くなるので保管場所にも注意が必要です。基本的に買い置きは避けたほうが良いでしょう。
  5. AdBlue結晶化防止添加剤を使用する
    故障リスクを減らす上で、AdBlue結晶化防止添加剤に使用は有効な対策の1つです。特に猛暑回避や長距離走行が難しいのであれば、AdBlue結晶化防止添加剤の使用をおすすめします。添加剤を使用しても完全に結晶化がゼロになるわけではありませんが、使わないより使ったほうが良いです。

特に近年の夏の暑さはAdBlueにとってかなり厳しい環境ですが、予防することができます。尿素SCRシステム搭載車両を所有されているなら、きる限り対策をしてあげたほうが故障する確立は低くなります。


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