イラン情勢により日本の自動車業界が受ける影響
アメリカとイスラエルは2月28日に軍事作戦「壮絶な怒り作戦」を行い、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害しました。
遠い異国の地の出来事ですが、この電撃的な軍事作戦の影響は日本の自動車業界にも大きな影響が出そうです。
自動車生産への打撃
日本が使用している原油の約9割がホルムズ海峡を通過します。物価高騰は避けられないかもしれません。
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エネルギーコストの急騰
自動車の組み立てには膨大なエネルギーを消費します。原油価格が急騰することが予測されており(既に急騰しています)、エネルギー価格の上昇が工場を動かす電気代やガス代に直結、これが製造コストに打撃を与えます。 -
石油化学製品
現代の車には150〜200kgのプラスチックが使われていると言われています。エチレン、プロピレン等の原料は原油やガス。タイヤやオイル等も石油化学製品なので、影響を受けるでしょう。
日本は島国なので、陸路を使っての代替ルートがありません。自動車製造業界に特化した世界的な専門メディアのAutomotive Manufacturing Solutions(AMS)も、日本の自動車メーカーが特に大きな影響を受けると述べています。
中古車相場の影響は?
これはなかなか予想が難しいのです。その理由は中古車相場の上昇圧力と下落圧力が入り乱れるからです。
- 国内の供給不足による上昇圧力
エネルギーコストやサプライチェーンがイラン情勢の影響を受け、新車の納期待ちが長くなったら下取り車が不足し、中古車市場への供給が減ります。この供給不足が中古車相場を上昇させます。 - 中古車輸出ビジネス混乱による下落圧力
日本の中古車は、特にドバイ等のUAEを経由してアフリカや中央アジアへ再輸出されます。ホルムズ海峡が事実上閉鎖されてしまうと、このルートが絶たれます。そうなると、海外輸出需要が高い車種の相場は下落圧力を受ける可能性があります。
ただし、中古車輸出の下落圧力は、ルートが再構築された瞬間から解消される可能性があります。日本から輸出される中古車は、巨大な車両専用ターミナルのあるドバイのジェベル・アリ港がハブとなり、再輸出されます。
日本の中古車輸出ビジネスに携わる商人たちは、世界でも屈指のしたたかさと適応能力を持っています。彼らはイラン情勢の回復をただ待つようなことはしません。過去の新型コロナのパンデミックやロシアへの制裁、紅海危機などの際に見せたように、混乱が起きた瞬間からプランB(代替案)を同時並行で動かし始めるはずです。となると、下落圧力はかなり限定的になるかもしれませんね。
こうやって
「中古車相場はどうなるのか」
「ガソリン代はいくらまで上がるのか」
と予想して将来の計画を立てていられるのは、戦火から遠く離れた安全な場所にいるからこそできます。戦火の近くで差し迫った状況に追い込まれている人たちは、職はおろか命の心配もしなければなりません。経済の数字を追うことは生活防衛の手段ですが、その数字の向こう側にある命の重みを忘れない社会でありたいと願います。
好きな車と、暮らそう。
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