サウジアラビア、国際物流ハブを手に入れる千載一遇の好機?
今まで日本から輸出される大量の中古車は、巨大な車両専用ターミナルのあるドバイのジェベル・アリ港に輸送されていました。
ドバイ(UAE)のジェベル・アリ港は「ハブ港」として機能していて、一旦ハブ港に集まった中古車がアフリカ、中央アジア、ロシア等に再輸出されていました。
今回の中東情勢の影響で、中東情勢の影響で、ジェベル・アリ港は一時的に混乱が生じました。
サウジアラビア東部から西部にパイプラインで原油を輸送
サウジアラビアの原油の大部分は、国土の東部(ペルシャ湾沿岸およびその海底)で採掘されています。それをホルムズ海峡から輸出していました。ところがホルムズ海峡が不安定になっているので、採掘した石油をパイプラインを使って西部(紅海のある方)に輸送します。このパイプラインで1日数百万バレルの原油を輸送できるのです。
紅海から原油を輸出することで、ジェッダ・イスラム港やヤンブー港、さらに未来都市NEOMに建設中の海上に浮かぶ次世代都市Oxagon(オキサゴン)を巨大なハブ圏にしようとしています。
サウジアラビアのハブ圏化はドバイにとって脅威
ドバイが脱石油で成功したように、サウジアラビアもそれを狙いビジョン2030計画を策定しました。
ホルムズ海峡が不安定になっている今、サウジアラビアはハブ圏化を成功させるまたとないチャンスが訪れています。
サウジアラビアが狙っている紅海ハブ圏化は、今までハブとしての役割を担ってきたドバイにとって脅威になります。
とは言え、ドバイ政府系の港湾・物流大手「DPワールド」は、サウジアラビアのジェッダ・イスラム港に大型投資を行っています。これが結果人質的投資のように効いて、サウジアラビアのハブ圏化が成功するとドバイにも大きな恩恵が転がり込むのだと思います。
サウジアラビアの思い通りに行かない可能性もある
紅海ルート開拓の大きなチャンスを迎えているサウジアラビアですが、ドバイを追い抜こうと大勝負に出たものの、気づけば大金をはたいて作ったインフラでライバルのドバイを助けているだけで終わってしまう可能性があります。その理由は、港湾ビジネスは港を作れば終わりではないから。
ハブとして機能させるためには、世界中の船会社、物流会社、フォワーダー、保険会社、金融機関とのネットワークが必要になります。ドバイは数十年かけてそのエコシステムを築いてきました。しかし、サウジアラビアは巨大な資金力を持っているとはいえ、物流ネットワークの構築はまだ発展途上。
とは言え、ホルムズ海峡の不安定化は、数十年にわたり中東物流の中心だったドバイ一極集中体制を見直すきっかけになっていることは間違いありません。一方的にドバイが負けることはありませんが、一強体制は多かれ少なかれ崩れる可能性がありますね。
今後サウジアラビアとドバイの駆け引きがどうなるか、見応えがあります。
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