ノルウェーとデンマークの中国製EVバスに深刻なリスク?
近年、世界の公共交通機関で急速に普及が進む電気自動車(EV)バス。その多くで高いシェアを持つのが、中国のメーカーです。
しかし、最近ノルウェーの公共交通事業者から、中国製EVバスに「遠隔操作で停止させられる可能性がある」という深刻なセキュリティリスクが指摘され、ヨーロッパ全土で大きな議論を呼んでいます。
この問題は具体的にどういうものなのか、なぜ中国製バスが多いのか、そして日本で導入されているEVバスは安全なのかどうか、解説します。
ノルウェーとデンマークの中国製EVバス採用状況
ノルウェーとデンマークの公共交通事業者は、中国製EVバスを多く採用しています。
- ノルウェーのRuter社: 約1,300台のEVバスの大半は中国製で、850台はYutong(宇通)というメーカーのバスです。
- デンマークのMovia社: デンマーク最大の公共交通事業者で、469台の中国製EVバスを運行していますが、そのうち262台がYutongのバスです。
なぜ中国製EVバスが多いのか?
中国製のEVバスの導入が多い理由は、単純な価格の安さだけに留まりません。
- 価格競争力:欧州や日本メーカー製に比べ、初期導入コストが安い。
- 先行者利益と実績:中国は早くから国策としてEVバス市場を開拓、世界で最も早く大量生産と実運行の経験を積んでいて、運行実績が豊富。
- 豊富なラインナップ:都市の路線バスからコミュニティバス向けまで、様々なニーズに対応できる車種を揃えている。
- 安定供給が可能:必要なところに必要な台数供給できる、需要に応える能力がある。
特に日本では、この国産メーカーの対応の遅れと相まって、BYDが日本のEVバスの約7割のシェアを持つに至っています。
因みに日本では、この中国製のEVバスでトラブっています。
YutongのEVバスの深刻なリスクを発見
この問題は、ノルウェーの公共交通事業者Ruterが実施したセキュリティテストによって発覚しました。
Ruter社は、YutongのEVバスが持つ、**遠隔でソフトウェアのアップデート(OTA:Over-The-Air)ができる機能に「深刻なリスクがある」と指摘。同タイプのバスを保有しているデンマークも、ノルウェーからの報告を受けて調査に乗り出しました。
Ruter社が隔離環境でYutongの車両をテストしたところ、以下の事実が判明しました。
- メーカーによるリモートアクセスが実際に可能であること。
- SIMカードを抜くことで遠隔アクセスを遮断できるが、同時に運行に必要な他の通信機能(診断や管理機能)も失うという問題点があること。
遠隔で操作や停止ができる?
この深刻なリスクとは、具体的には、遠隔でバスのバッテリーや電源制御システムにアクセスされ、意図的にバスを停止させられる可能性があるという懸念です。
つまり、悪意ある第三者、あるいは国家レベルの行為者によって、公共の交通機関であるバスを停止させ、運行を妨害したり、大規模な混乱を引き起こしたりする恐れがある、という理論上のリスクが焦点となっています。
ノルウェーのRuterは、あくまでこの調査結果は理論上のリスクであって、実際に悪用された事例はないと公式に述べています。
Yutongの反論
この調査結果について、Yutong側は強く反論しています。
- 中国から遠隔でアクセスしたり、制御されたりする可能性を完全に否定。
- 遠隔操作でステアリングやブレーキ、加速等の安全に関わる操作は技術的に不可能であると主張。
しかし、中国には国家の情報活動に企業が協力することを義務付ける法律があるため、西側諸国はメーカーの主張だけを鵜呑みにすることが難しはずです。
日本の中国製EVバスは大丈夫?
ファーウェイの通信機器や一部の監視カメラがそうでしたが、時々中国製のハイテク製品にはこの手のセキュリティ問題が付きまといますね。
日本のバス事業者も、今回のノルウェーの事例を深く受け止める必要があると思います。日本の自動車の安全基準は非常に厳格ですが、サイバーセキュリティは別問題だと思います。
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