苦戦するEVスタートアップの誤算

2025年5月14日

内燃機関車の開発には巨額な投資が必要で、技術的な面やサプライチェーンの確立の面でも既存メーカーが圧倒的に優位でした。EVシフトが世界的に加速する中で、

「EVなら行ける!」

と思った起業家たちが、2010年頃から雨後の筍のようにEVスタートアップ企業を誕生させました。

しかし、EVスタートアップ企業が思っていた以上に、EV開発には巨額な投資が必要だったことが後に明らかになります。

最近では米ミシガン州のBollinger Motors(ボリンジャーモーターズ)が、約1億4800万ドル(日本円で約218億円)の資金を費やしたにもかかわらず、わずか約40台の車両しか製造できず、急速に経営が悪化。資金が枯渇したBM社は約50万ドルのクレジットカード債務も不履行になり、管財人の管理下に置かれました。法的な破産はこれからですが、実態としては既に破綻しており、突然新たな投資家が出てこない限り再生は難しいと見込まれます。

スタートアップ企業と聞くと、オフィス内には無料で利用できるカフェテリアやジムがあって、バランスボールが転がっているキラキラなイメージがあります。しかしこれを継続するこという事は本当に難しいのです。

一昔前、次世代の自動車産業を担うと期待され、ネット上で大きな話題を集めたEVスタートアップ。しかし厳しい現実が待っていました。

Rivian、Lucid Motorsはいずれも黒字化を実現していませんが、RivianはVWから巨額投資を受ける予定があり、Lucid Motorsもサウジアラビアの政府系ファンドからの強力な支援があるので、今のところ事業は継続しています。

EVスタートアップが苦戦している理由

多くのEVスタートアップが、何を見誤って頓挫するに至ったのでしょうか。もちろん資金的な問題であることは言うまでもありませんが、その資金計画をも狂わせたのが量産の難しさです。

プロトタイプを数台生産するのと、何万台もの車両を生産するのとでは次元の異なる土台が必要です。さらに、販売後のアフターサービスと部品供給にも大きなコストが発生します。あのテスラも創業当初は資金難や生産の遅れなど、多くの困難に直面してきました。

Salte Autoのように、いくらでも金がありますよって企業は置いといて、かなり厳し目のロードマップを作成しないと自動車の量産はEVであってもできないと言うことですね。

そう考えると既存の自動車メーカーは、長年にわたって自動車産業を支え、高度な技術や複雑なサプライチェーン、大規模な生産体制、世界的な販売やサービスネットワークを築き上げてきました。EVシフトという大きな変革期を迎えている今、改めてその偉大さを認識させられます。


好きな車と、暮らそう。

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