Slate Autoは自動車業界に新たな革命をもたらすか?
EVの販売が思うように伸びていない理由の一つが車両価格が高いことです。
低価格化を難しくしているのは、レアメタルを使用するバッテリーのコスト、エネルギー密度が高いバッテリーの安全性を確保するためのコスト、未熟な生産体制、未熟なサプライチェーン等が原因と考えられます。
そんなEVの現場を打破するかもしれないスタートアップ企業が水面下で動いています。スレート・オート(Slate Auto)です。
EVのスタートアップ企業は、資金繰りの壁に阻まれて志半ばで頓挫してしまうケースが多々ありますが、スレート・オートに関しましては、その心配は低いでしょう。
スレート・オートはまだ謎な部分が多いのですが、現時点で分かっていることは
- 豊富な資金
Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が主要な資金提供者です。現時点ではAmazonが直接出資している訳ではないようですが、天文学的規模のベゾス氏のポケットマネーは、スタートアップ企業にとって大きなアドバンテージになりますね。
- 製造インフラやサプライチェーンのバックアップ
EVのスタート企業にとって難しいのは、製造インフラやサプライチェーンの構築です。それを実現する企業、Re:Build Manufacturingが創立に大きく関与している点です。バラバラに存在する部品製造業者、部品加工業者、組み立て業者、物流業者等をグループ化(再構築)して、スレート・オートをバックアップする組織にしてしまうのです。
まさに企業名のRe:Build Manufacturingの通りですね。このRe:Build Manufacturing、Amazon元幹部のJeff Wilke氏と、製造業再興のリーダー的存在のMiles Arnone氏が共同で設立した企業です。皆さんが利用しているAmazonも、極短期間で配送システムを構築しましたよね?Re:Build Manufacturingはスレート・オートを強力にバックアップし、既存の自動車メーカーが思いつかないような効率化とスピード化を実現させるかもしれません。 - 無駄を省き低価格路線を目指す
スレート・オートのとりあえずの戦略は、無駄な機能を省いてコンパクトなEVを開発することのようです。検索するとスレート・オートのEVトラックの情報が少しだけ出てきますが、販売価格が日産リーフよりも安い25,000ドル位になると言われています。 - ベース車両をユーザーがカスタマイズ
スレート・オートは単に車を製造・販売するだけが目的では無いようで、「Slate University」、「WE BUILT IT. YOU MAKE IT.」のスローガンを提唱しています。恐らくこれらが中核をなすコンセプトになるのでしょうか。素っぴんのベース車両を販売し、用途や好みに合わせて拡張パーツや追加アクセサリーでカスタマイズする。例えば、スレート・オートのEVトラックを- Aさん
都市部で利用、通勤にも使う。見た目がおしゃれで、インフォテイメントも充実。荷台にはカバーを取付、トランクルームのように使えるようカスタマイズ - Bさん
荷台にチェーンソーや丸太を積んで、作業灯や荷台にプロテクターパネル装着。働くEVトラックとして利用 - Cさん
主に都市部で使用するが、週末キャンプや釣りにも行くアウトドア派。テントのマウントやフリーザー・クーラーボックスも追加。デザインもタフで無骨な雰囲気に仕上げたい
こんな楽しみ方ができるのかもしれませんね。つまりベースの車両は同じであっても、全く違う車になるってことです。そうなると、車名がベンツのC200、トヨタ・プリウスのような呼び方ではなく、所有者が好きなように車に名前をつける時代が来るかもしれません。
- Aさん
まだまだ謎のベールに包まれているスレート・オート。数年前から大手自動車メーカーから数百人規模のヘッドハンティングしたらしく、幹部クラスの人材も多数いると言われています。その中には自動車OSのAndroid Automotiveや自動運転開発企業のWaymoに関わっていた大物もいるとか。スレート・オートの今後の動向から目が離せないですね。
好きな車と、暮らそう。
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