英国政府がEVシフトに強気な姿勢を見せる理由

2024年11月27日

ステランティスがイギリスのルートンにある商用車生産工場を閉鎖する計画を発表しました。

閉鎖の理由はイギリス政府が導入したZEV(ゼロエミッションビークル)指令に対応するためです。

ルートン工場の生産を、現在電気自動車の生産を行っているエレスメア・ポート工場に移すことで、電気自動車の生産に集中するのだとか。

ステランティスはイギリス政府のZEV指令に反対しています。ルートン工場閉鎖もステランティスにとって大きな負担となっています。このルートン工場は120年以上の歴史があり、そこで1,100人程が働いていました。

イギリス政府は2035年までに内燃機関車の新車販売を禁止することを発表しており、ZEV販売目標を達成できなかった自動車メーカーに対して1台につき最大1万5000ポンド(約290万円)の罰金を科すそうです。


2035年~内燃機関車には罰金

イギリスが内燃機関車排除するZEV規制について厳しく言えるのは、イギリスが環境意識が高い国であること以外にも理由があるのではないでしょうか。それは、自国の資本の大手自動車メーカーが無いからじゃないか、と思っています。

「ジャガー、ランドローバー、ロールスロイスがあるでしょ?」

と思われる人もいるかもしれませんが、確かにイギリスの自動車メーカーではありますが、資本はイギリスではありません。

  • ジャガー・ランドローバー:インドのタタ・モーターズの子会社
  • ロールス・ロイス・モーター・カーズ:BMWの傘下
  • アストンマーティン:カナダの実業家やサウジアラビア王国の政府系ファンド、中国の自動車メーカージーリーやメルセデス・ベンツが主要株主
  • ロータス:中国のジーリーの傘下
  • マクラーレン:バーレーンの政府系ファンドが所有。(アブダビのファンドにアブダビのファンド、CYVN HOLDINGSに買収されるとの噂がありますがまだ未定)

もちろん自国の資本の大手自動車メーカーが無いことがZEV指令を強行している理由の全てではありません。しかし、仮にイギリスに自国資本の大手自動車メーカーが複数あったのなら、雇用や経済への影響を最小限に抑えながら、緩やかにEV化を進めるという路線を踏んでいのではないでしょうか。


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