新安全基準のGSR2、2026年7月からが厄介と言われる理由
EUの新安全基準GSR2(General Safety Regulation 2)では、すでに新型車に適用されている厳しい安全要件が、2026年7月からは既存モデルにも例外なく適用されます。
大雑把にまとめると…
- 2022年に設けられた新安全規制(GSR2)
- 2024年7月から新型車への全面適用が開始
- 新型車は即適用、既存型式に与えられた猶予が2026年7月まで
- 逃げ道はなく、低価格なコンパクトも例外ではない
2026年7月からは既存モデルにも例外なく適用されるGSR2の内容は以下です。
| 項目 | 2026年7月からの新基準内容 | 既存型式への適用 | 厄介なポイント |
|---|---|---|---|
| 高度な脇見警告 (ADDW) | カメラで「視線(目線)」を直接監視。スマホ凝視やわき見を秒単位で検知・警告。 | 完全適用 | 赤外線車内カメラの設置が必須。古い内装設計の車には物理的に後付けが困難。 |
| 自動ブレーキ (AEB) | 「歩行者」および「自転車」の検知・衝突回避性能の強化。 | 完全適用 | より広角・高精細なセンサーが必要。既存のバンパーやフロントガラス周辺の設計変更を伴う。 |
| アルコール準備義務 (AIIF) | 将来的な検知器装着のための「標準端子(準備)」の設置義務化。 | 完全適用 | 電気系統の根幹に回路を組み込む必要があり、大幅な配線変更が必要。 |
| イベントレコーダー (EDR) | 大型車両(M2, M3, N2, N3)への搭載義務化開始。 | 新型車より順次 | 乗用車は2024年に完了。2026年からは対象が大型車(トラック・バス)へ拡大。 |
GSR2コストの影響は低価格車程大きい?
GSR2対応コストは、消費者価格への転嫁額で1台あたり約18.5万円〜46万円(1,000ユーロ〜2,500ユーロ)程度の上昇になると予測されています。これは低価格車程受ける影響が強くなると言われています。
仮にGSR2のコストが40万円だった場合
| 元の車両価格 | 40万円アップ後の価格 | 値上げ率 |
|---|---|---|
| 200万円 | 240万円 | +20.0% |
| 300万円 | 340万円 | +13.3% |
| 700万円 | 740万円 | +5.7% |
単純にコストの上乗せした場合の設定ですが、実際には戦略的な価格上昇が起こるため、高額車も予想以上に価格が上がる可能性があります。
高額車もそれなりに値上がりする理由
低価格車はGSR2コストの大きな影響を受けることは間違いありませんが、高額車もそれなりに値上がりするはずです。高級車メーカー特有のビジネスモデルと見せ方が関係しているからです。
大衆車メーカーであっても、高級車メーカー(ベンツ、ポルシェ等)であっても、売り文句として「規制だからカメラを付けました」とはPRしません。ただし、高額車はその見せ方が多少変わると思います。高級車メーカーは規制で義務化される安全装備を「最新のAIによるドライバーアシスト」、「次世代パーソナルコンシェルジュ」のように、いかにも豪華なパッケージを提供してますよって感じにしてきます。新安全規制をクリアしつつ、ドライバーへの通知方法等に付加価値を付け、新安全規制をプレミアム化の口実として利用してきます。
安全や環境規制が厳しくなるにつれ、車両価格も高くなってしまいます。
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