新安全基準のGSR2、2026年7月からが厄介と言われる理由

2026年2月4日

EUの新安全基準GSR2(General Safety Regulation 2)では、すでに新型車に適用されている厳しい安全要件が、2026年7月からは既存モデルにも例外なく適用されます。

大雑把にまとめると…

  • 2022年に設けられた新安全規制(GSR2)
  • 2024年7月から新型車への全面適用が開始
  • 新型車は即適用、既存型式に与えられた猶予が2026年7月まで
  • 逃げ道はなく、低価格なコンパクトも例外ではない

2026年7月からは既存モデルにも例外なく適用されるGSR2の内容は以下です。

項目 2026年7月からの新基準内容 既存型式への適用 厄介なポイント
高度な脇見警告 (ADDW) カメラで「視線(目線)」を直接監視。スマホ凝視やわき見を秒単位で検知・警告。 完全適用 赤外線車内カメラの設置が必須。古い内装設計の車には物理的に後付けが困難。
自動ブレーキ (AEB) 「歩行者」および「自転車」の検知・衝突回避性能の強化。 完全適用 より広角・高精細なセンサーが必要。既存のバンパーやフロントガラス周辺の設計変更を伴う。
アルコール準備義務 (AIIF) 将来的な検知器装着のための「標準端子(準備)」の設置義務化。 完全適用 電気系統の根幹に回路を組み込む必要があり、大幅な配線変更が必要。
イベントレコーダー (EDR) 大型車両(M2, M3, N2, N3)への搭載義務化開始。 新型車より順次 乗用車は2024年に完了。2026年からは対象が大型車(トラック・バス)へ拡大。

GSR2コストの影響は低価格車程大きい?

GSR2対応コストは、消費者価格への転嫁額で1台あたり約18.5万円〜46万円(1,000ユーロ〜2,500ユーロ)程度の上昇になると予測されています。これは低価格車程受ける影響が強くなると言われています。

仮にGSR2のコストが40万円だった場合

元の車両価格 40万円アップ後の価格 値上げ率
200万円 240万円 +20.0%
300万円 340万円 +13.3%
700万円 740万円 +5.7%

単純にコストの上乗せした場合の設定ですが、実際には戦略的な価格上昇が起こるため、高額車も予想以上に価格が上がる可能性があります。


高額車もそれなりに値上がりする理由

低価格車はGSR2コストの大きな影響を受けることは間違いありませんが、高額車もそれなりに値上がりするはずです。高級車メーカー特有のビジネスモデルと見せ方が関係しているからです。

大衆車メーカーであっても、高級車メーカー(ベンツ、ポルシェ等)であっても、売り文句として「規制だからカメラを付けました」とはPRしません。ただし、高額車はその見せ方が多少変わると思います。高級車メーカーは規制で義務化される安全装備を「最新のAIによるドライバーアシスト」、「次世代パーソナルコンシェルジュ」のように、いかにも豪華なパッケージを提供してますよって感じにしてきます。新安全規制をクリアしつつ、ドライバーへの通知方法等に付加価値を付け、新安全規制をプレミアム化の口実として利用してきます。

安全や環境規制が厳しくなるにつれ、車両価格も高くなってしまいます。


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