修理する?買い替える?迷ったときに知っておきたい「判断」の考え方

2026年2月1日

自動車の修理業務を行っていると、「車の修理を続けるか、乗り換えるか」の判断で苦慮する場面に遭遇します。

今、世界的に新車や中古車価格が高騰しているので、この議論は日本だけではなく、他の国でも行われています。

修理継続か乗り換えかの分岐点、修理代 vs. ローン

例えば車が故障して、その修理代が30万円だった場合。30万円の修理見積書を提示されたらまずは驚きますよね?

でも、毎月5万円のローンで車を買い替えた場合、年間で60万円の支払いが発生します。

30万円の修理費は高いように思えても、数年間にわたって毎月5万円のローンを払うよりは安く済みます。

単純計算すると、修理費用 ÷ その後乗り続ける予定の月数を計算して、その額が買い替えた場合の月々の支払いより低ければ、修理がお得です。(実際には車の買い替えには自動車保険の上昇コスト等も発生します)。しかし、この単純計算だけで継続して乗るか乗り換えるかの判断してしまうと、落とし穴が隠れている可能性があります。

また壊れるかもしれないという落とし穴

「修理費が30万円だから、年間で60万円の支払いが発生するローンでの買い替えより得だ!」

確かにその数字だけ見比べればそうかも知れません。しかし、乗り続けてきた古い車が再び故障する恐れがあります。ここで難しいのは、必ずしも「新しい車だから壊れない」「古い車だから壊れる」が当てはまらないことです。

なぜ乗り換えの判断を見誤ってしまうのか

我々も、修理を継続すべきか乗り換えるべきかのアドバイスをしているつもりですが、これまで車の乗り換えの判断を見誤ってるな?と思うケースを多く見てきました。

  • 正常性バイアス
    なぜ車の所有者は「高額な修理代を支払って修理すれば当分は安心だ」と、正常性バイアスがかかって乗り換えの判断を誤ります。
  • サンクコスト効果(埋没費用効果)
    これも非常に多いケースです。半年前も15万円かけてタイヤを新品に替えたばかりなので「今買い替えたらその15万円を捨ててしまうことになる…」という考え方。つまり、これまでの投資を無駄にしたくないサンクコスト効果(埋没費用効果)に引っ張られて、将来発生するであろう修理コストを過小評価してしまう現象です。
  • 現状維持バイアス
    今の車への愛着や、新しい車を探す手間、ローンの手続き、操作方法を覚えるストレスを避けたいという気持ちから、「今の車を直すのが一番楽だ」と自分を正当化してしまう現状維持バイアスも、買い替えのタイミングを見誤る要因の一つです。

あとは、将来のことが予測できないので判断に困るという事実もありますね。

選択肢 結果 ユーザーの体感
ケース1:修理して乗り続ける その後、故障なし 「大正解!」
ケース2:修理して乗り続ける その後、故障続出 「大失敗…」
ケース3:買い替える 新しい車に乗る 「判定不能」
(直していたらどうなったかの比較対象が消えるため検証できない)

では、どう判断すればよいのか

修理するべきか、買い替えるべきか、少しでも迷った時点で我々プロにご相談ください。様々な車種の整備を行っていると、車種特有の性質や過去のメンテナンス履歴等から、修理するべきか乗り換えるべきかの判断は、恐らく所有者よりも適切にできると思います。ただ、例外もあって、車に詳しくて将来の故障への投資(予防整備)を計画的に行っているユーザーは、自分の車のコンディションを「線」で捉えているため、ジャッジも的確です。また、修理代を突発的な事故だと捉えるのではなく走行コストの一部として冷静に捉えているユーザーも我々のアドバイスを必要とせずご自分で判断されるケースが多いです。

「壊れることを承知して修理しながら乗り続ける」「壊れるのは困る」というような、オーナーの考え方でも判断が変わります。


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