BMWがサブスクリプションを諦めない理由
以前BMWが、シートヒーターやステアリングヒーターを使用する場合は、月額2500円位の支払いをしなければならないサブスクリプション制を導入(日本は導入されず)して批判を浴びました。
批判を浴びた理由は、すでに装備されている機能なのに、支払いしなければ使えないってどういうこと?と多くの人が思ったからです。
車種にもよりますが自動車のオプションの組み合わせは、何万通りにもなると言われています。その組み合わせを管理することは、工場の組立ラインが非常に複雑になり、無駄なコストが発生します。例えばシートヒーター1つでも、シートに熱線を入れたり、配線したり、スイッチを取り付けたりしなければなりません。
自動車1台の製造時間は15~20時間前後と言われていて、自動車工場では、1分間に1台完成車がラインから出てくるそうです。つまり、この車はシートヒーター無し、この車はシートヒーター有りだと振り分け、作業工程を分けることで無駄なコストが発生。だったら全部シートヒーター付きにした方が良いのです。
サブスク戦略を諦めないBMW
BMWは前回のシートヒーター、ステアリングヒーターのサブスク戦略で失敗をしたことを認めていますが、それでもBMWはサブスク戦略を諦めていません。
BMWは新型EVのiX3の一部オプションをサブスクリプション制にすることを発表しました。具体的には、360度カメラ、Driving Assistant Pro、アダプティブサスペンションやドラレコ、デジタルエンターテイメント、リモートエンジンスタート等。今回はシートヒーターではなく安全装備のサブスクリプションなので、これまたいろんな意見が出てきそうですね。
なぜサブスクを諦めない?
その理由は、メーカーにも消費者にもメリットがあるからです。
「消費者にもメリット?」と思われるかもしれませんがこんなメリットがあります。
1. お試しができる
もしかしたら使わないかもしれない新車オプションに数万円〜数十万円支払うのは躊躇しますよね。サブスクリプションの場合、
「冬の間だけシートヒーターを使いたい」
「長距離旅行に行く月だけ最新の自動運転支援を使いたい」
といったようなオンデマンドな使い分けが可能。
2. 後付ができる
新車購入時には必要ないと思ったオプションが、やっぱり必要だった…。そんな時でも、BMWのストアからポチッとオプションを購入するだけでOK。
3. 中古車でも機能が増える
これまでは中古車を買った時、前のオーナーがオプションを付けなかったから、一部例外を除いてその機能は一生使うことができません。しかし、サブスクリプション制の中古車を購入した人なら、定額制の支払いをすれば物理的な改造することなく使えなかった機能がアクティベートされます。これは中古車のリセールバリューにも良い影響があるはずです。
サブスクリプションと言う名の少額固定費の罠
自動車のオプション装備のサブスクリプション制はメリットを考えると頭ごなしに否定することはできません。しかし、現代に生きる人に共通して言えるのは、少額な固定費が積もり重なっていることです。
昔からある
- 家賃や住宅ローン、管理費等
- 駐車場
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険
- スポーツジム
- NHK
現代
- 動画配信:Netflix、Amazon Prime、Hulu、Disney+、YouTube Premium等
- 音楽:Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimited等
- 電子書籍:Kindle Unlimited、日経電子版等
- AI:ChatGPT Plus、Gemini Advanced、Claude Pro等
- ストレージサービス:iCloud+、Google One
また、最近は洋服や眼鏡、アロマ、香水、家電のサブスクリプションもあります。
※ここで注意して欲しいのは、サブスクリプションと定額制とでは少し意味が異なります。
- 定額制:一定料金で同じ権利を買う支払方法。
- サブスクリプション:利用者の好みに合わせ中身が更新・進化し続ける継続的なサービス体験
現代人に必要な管理能力と柔軟性
現代人の給料に占めるサブスクリプションの割合が徐々に増えています。サブスクリプションのビジネスモデルは、消費者にいかに解約せず払い続けてもらうか。一度契約してしまうと、解約することが心理的な抵抗になると言う罠であることを理解しておかなければなりません。
「一度消費者を捕まえたら離さない」というようなサブスクリプションの罠に対する防衛策は、蛇口をこまめに開け閉めするように、契約しているサブスクを管理し、必要な時以外は解約することです。心理的に解約するハードルが高いので解約したら戻れなくなると思いがちですが、再契約のハードルが低いこともサブスクの特徴です。
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