勝手にシトロエンを製造するロシアの企業

2024年2月18日

ステランティスは、ウクライナ情勢以降ロシアでの事業運営が困難に陥り、2022年の4月にカルーガ工場とバン工場の生産を停止。

※ステランティスの前身はフィアット・クライスラー・オートモービルズグループPSA

カルーガ工場では主に
・プジョー 3008、4008、5008
・シトロエン C4、C5 Aircross
・オペル Astra、Grandland X
・三菱自動車のアウトランダー
※カルーガ工場は三菱自動車も30%の出資をしています。

バン工場では主に
・プジョー Partner、Boxer
・シトロエン Berlingo、Jumper
・フィアット Ducato、Doblo

を生産していました。

ステランティスがロシアでの操業停止を決めてから、ロシア国内の事業所をコントロールできない状態になってしまいました。

西側諸国からの制裁措置で部品の供給も途絶え、操業停止した工場の既存の生産ラインで車を生産することはできなくなりました。宝の持ち腐れ状態です。ところが最近、謎の企業Automotive Technologiesが、シトロエンC5 AIRCROSSを製造していることが発覚しました。

Automotive Technologiesについての詳しい情報は殆どなく、代表者がGalina Dolgolenko氏で、法人の所在地はモスクワにある、位しか知りません。

制裁措置下ので部品供給が絶たれているというのに、ロシアのカルーガ工場でどうやってシトロエンC5 AIRCROSSを生産しているのでしょうか?

その答えは中国にあります。

ロシアの事業者(Automotive Technologiesかどうかは不明)が中国のパートナーと手を組み、中国経由でC5 エアクロスを製造するために必要なキットを手に入れ、工場に納入。このC5エアクロス組み立て用のキットは、中国の東風汽車グループによって生産されたそうです。

この情報は、ロシアのある自動車販売店の従業員2人が匿名を条件にリークしたそうです。シトロエンが生産されたと言うことは、今後は他の自動車メーカーも勝手に生産される可能性がありますね。

誰の指示でAutomotive Technologiesがシトロエンの生産を開始したのかは不明ですが、少なくともステランティスはロシアで自社ブランド車製造について関与していないことを説明する必要があります。

この件、中国が国として率先して協力するメリットは薄いと思われます。制裁措置の迂回ルートになっていることが公になれば、国際社会からの批判を受ける可能性が高くなるので気まずい話なんじゃないでしょうか。

制裁措置の迂回ルートになっているのでは?という疑惑と、具体的にその事実が公になってしまったとでは国際社会からの評価は大きく変わります。西側諸国との経済関係を維持しつつ、ロシアとの友好関係も維持しなければならないので、早く戦争終わってくれよと強く思っているのは中国かもしれません。

 

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