SOSコールの警告はある程度防げる

2026年7月3日

最近、一部の輸入車でSOSコールの警告が点灯するトラブルが見られます。

これが結構厄介者で、使わない可能性の方がずっと高い機能でありながら、トラブルメーカーになる恐れがあるのです。車種によってはSOSコールシステム専用のバックアップバッテリーが消耗していたり、それが壊れてしまったケースもありますが、もっと身近なトラブルから点灯することがあります。

バッテリー交換時に点灯するケース

最近の輸入車はバッテリー交換も、物理的に古いバッテリーから新しいバッテリーに入れ替えるだけでは駄目な車種が多いです。

車両のコンピュータ(ECU)に、「新しいバッテリーに交換したよ」と教えないと、新品のバッテリーに交換してもまだ古いバッテリーのままだと勘違いするからです。

古いバッテリーだとSOSコール点灯が点灯する理由は、バッテリーが弱ると車両が省エネモードになり、SOSの通信機能等がスリープに入ってしまうからです。そうなると、SOSシステムが「電気が来ないぞ?異常をお知らせしなければ」と警告灯を点灯させるのです。

完全に眠ることができない現代の車

EUでは、2018年4月以降に販売される新車全てに、SOSコールシステム(eCall)の搭載が義務付けられました。これは、運転中の車両で重大事故が発生した際、EU共通の緊急通報番号「112」へ自動的に発信し、位置情報や車両情報を緊急通報センターに送信する仕組み。このeCallで年間2500人の人命を救う効果があると試算されているのだとか。

日本に正規輸入車されている欧州車は、eCallではなく別のSOSコールシステムに置き換わっているようですが、システムはeCallに近いとおもいます。並行輸入車された欧州車はeCallです。

SOSコールシステムが搭載された世代の車両は、駐車中でも裏でコソコソと静かに制御ユニット等が仕事をし続けています。具体的にはテレマティクス制御ユニット(TCU)やゲートウェイモジュールです。

家に例えるなら、

  • TCU:家に引き込まれたネット回線(モデム)。
  • ゲートウェイは、家の中で各部屋に電波を飛ばすWi-Fiルーター。

です。

このテレマティクス制御ユニット(TCU)やゲートウェイモジュールがコソコソと働いている状態が待機モード。駐車中でも待機モードのユニットが少量の電気を消費しています。

駐車中に待機モードである必要性

SOSコールシステムは事故発生時に必要な機能。「衝突検知」だけを考えれば駐車中は完全にスリープしていいはずです。しかし、完全に電源を断ってしまうと、眠りから覚ますのに時間がかかるのです。

・通信モジュールの再初期化
・ネットワーク接続
・GPS取得
・各ECUとの同期

これに時間がかかったり、この再設定が上手行かなかったりする恐れがあります。そうなると走り出してすぐの事故の際にSOSコールシステムが作動しない、なんてことがあるのです。

SOSコールシステムが点灯しても、バッテリー交換すれば直る場合もありますが、設定が狂って大きな出費になる恐れもあります。

SOS問題の対策方法

点灯したら厄介なSOSコールシステムの警告ですが、ある程度の予防方法はあります。

  • バッテリーの適切な方法で適切なタイミングでの交換
    「今まで乗っていた車は4~5年位バッテリー交換せず乗れていた。だから2~3年で交換するのは勿体ない。」
    「今回の車検、予算オーバーだからバッテリーは来年に交換する」
    これでもしSOSコールシステムの警告灯が点灯したら、バッテリー新品よりも高額な修理代になる恐れがあります。バッテリー交換もバックアップ電源をとりながら交換しないといけませ。バッテリーを外して電源が完全に断たれてしまうと、各制御ユニットのメモリ上にある学習値が消える恐れがあるあらです。そして交換後はECUに新品バッテリーに交換しましたよと学習させる必要があります。
  • 時々走らせる
    1ヶ月に1回しか走らせることがない。週1回乗るが数分の距離しか乗らない。このペースだと、暗電流で失った分の充電が走行で補いきれない可能性があります。

なので、新し目の欧州車に乗っている人は、「バッテリーくらい自分で交換できる!」って安易にDIYで交換しないほうが良いと思います。SOSコールの警告はある程度防げますが、制御ユニットそのものの故障は防ぎようがありませんが…。


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