カーボベルデの自動車事情
ワールドカップで惜しくもアルゼンチンに敗れてしまったカーボベルデ共和国。
強豪カメルーンを押さえ込み、予選1位で通過したカーボベルデ、「聞いたこと無いけどんな国なんだ?」と話題になりました。
私も気になり、自動車業界からの目線で調べて見ました。
自動車メーカーは存在せず、100%輸入
カーボベルデは人口約60万人の火山群島国家で、島全体の国土面積は滋賀県とほぼ同じくらいです。
ただし、「滋賀県くらいの大きさ」というのは、あくまで全ての島を合わせた場合の話。実際には主に9つの有人島に分かれているため、物流やインフラ整備の負担は想像以上に大きくなります。
そのため、自動車メーカーのような大規模な製造業を成立させるのは現実的ではありません。国内を走る自動車は100%海外からの輸入に頼っており、市場規模も年間数百〜1,000台程度とかなり小さいようです。新車よりも中古車の存在感が大きい市場だと言われています。
どんな車が多く走っているか
街を走り回ってみると(Google Mapのストリートビューで…)、トヨタ車がかなり多い印象です。ハイラックスやハイエースが多いですね。全て左ハンドルなので、ドバイを経由して輸入する際に、左ハンドルに改造されているのかもしれません。トヨタ以外にはルノー、ダチアが多いですね。スズキや韓国メーカー、プジョーもちらほら。
国策としてのBYD製EVの導入
つい最近のこんな記事を見つけました。
“政府公用車を全て比亜迪(BYD)のバッテリー式電気自動車(BEV)に切り替えた”
という内容です。これは、恐らく離島国家ならではの問題が関係しているのかもしれません。
カーボベルデのような孤立したロケーションにある離島国家では、余程特殊な事情が無い限り島に一度入った車は二度と大陸に戻ることはなく、その島で生涯を終えます。
例えば毎年数千台の自動車が輸入された場合、処理しきれない廃車が狭い国土の自然に深刻な負荷を与えることになります。
離島では鉄スクラップを大量処理する製鉄設備や、冷媒・廃油などを安全に回収する大規模リサイクル設備を維持するのは簡単ではありません。
EVはエンジンオイルが不要で、内燃機関車と比べると消耗液類は少なくなります。ただし、EVだから問題が消えるわけではなく、今度はバッテリーという別の課題が出てきますが…。
古くなったEVバッテリーの利用も視野に入れているか
島で寿命を迎えたEVバッテリーをどう処理するのか?
BYDが回収する仕組みを導入している可能性もありますが、もしかしたら再利用まで視野に入れているのかもしれません。
カーボベルデは太陽光や風力など再生可能エネルギーへの転換も進めています。EVとしては航続距離が厳しくなったバッテリーでも、家庭や施設向けの定置型蓄電池としてなら、まだ十分活用できる可能性があります。
とはいえ、バッテリーは危険物でもあります。離島国家だからこそ、導入することよりも、最後をどう迎えるかの方が難しいのかもしれません。
好きな車と、暮らそう。
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