保険会社がEVの保険料算出に悩んでいる理由
今、自動車保険の取り扱いをしている保険会社は、EVの保険料算出の難しさに直面しています。
EVは事故頻度は低い
ノルウェーでは、EVは1kmあたりの事故発生率は内燃機関車より17%低いという統計データがあります。
EVは普及してからまだ日が浅く、EVの平均車齢が内燃機関車と比べてかなり若いです。新しい車両はADAS(先進運転支援システム)が搭載されているので、平均車齢が若いEVは最新世代のADAS搭載率が高い分、事故頻度が少なくなります。
また、米国の調査によりますと、EVは内燃機関車と比べて年間の平均走行距離が半分~6割程度と少ないことも事故率が低い要因になっています。
事故が少ないEV、でも保険料が高い
保険会社を悩ませているのは、事故率が内燃機関車よりも1~2割低いEVですが、修理可能な損害額(修理費用)が内燃機関車よりも2割程高いことです。ADASや電子制御システム搭載率が高い分、修理費用が高額になります。新しい内燃機関車も同じ理由で修理費が高くなっていますが、最も大きな違いは車両価格の約40%を占める高額なバッテリーの存在です。
EV率が高いノルウェーの損害保険会社の取り組み
2025年時点で新車販売の96%をEVが占めるノルウェー。2010年代から本格的にEVが普及し始めたノルウェーでは、普及初期はEVの急速な増加に保険料価格設定(リスク評価)が追いつかず、自動車保険全体の損害率が悪化しました(特に2015年~2018年頃)。
その後、保険会社はEVを一括りにせず、車種や契約者ごとのリスクを細かく分析して料率設定を見直しました。さらに、メーカーの修理情報を整備工場に提供したり、修理ネットワークや保険金支払いの効率化等を行ったそうです。その結果、損害率はより健全な水準に戻りました。
ただし、ノルウェーでの成功体験をそのまま他国に当てはめても、簡単に損害率は改善しません。ノルウェーは国土や人口構造、車の使われ方等、EV普及と保険運用にとって良い条件が揃った国です。大きな地理的・構造的ギャップが存在するので、あくまでノルウェー限定での話といるでしょう。
EVの高額な修理費用は今後縮小する?
EVと内燃機関車の修理コストは、既に縮小し始めています。しかし、中長期的には徐々に改善・縮小へ向かうも、内燃機関車と同等レベルまで下がるにはかなり時間がかかるというのが保険会社の見立てです。
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