イタリアのハイブリッド車比率が高い理由
イタリアは他の欧州諸国と比べてハイブリッド車の比率が高い国です。ハイブリッド車と言っても、フルハイブリッドではなく、マイルドハイブリッド車がメインです。
その反面、BEV(100%電気自動車)の比率は他の欧州各国と比べて低いです。
EU平均との比較(2026年概況)
イタリアのハイブリッド車比率が高い理由
イタリアでハイブリッド車比率が高い理由は、Fiat Pandaや500、Lancia Ypsilon、アルファロメオ等の国民的乗用車に、コスト面と排ガス規制対応のバランスが良いマイルドハイブリッドが急速に増えたから。買えるスモールカーの選択肢がマイルドハイブリッドのみに絞られたとも言えます。
また、イタリアの都市部では、多くの人々が集合住宅に住み、日常的に路上駐車を利用しているのでEVが普及し難いこともハイブリッド車比率が高い理由の1つでしょう。
トヨタの存在もイタリアでハイブリッド車比率が高い要因にもなっています。2025年のイタリア市場で、トヨタは120,820台(市場シェア約7.9%)を販売し、首位フィアット(シェア約9.4%)に次ぐ年間ブランド別シェア第2位を獲得しました。トヨタはほぼHEV(ストロングハイブリッド車)なので、イタリアのハイブリッド車比率を押し上げていると言えます。
特に、ローマから始まり、ミラノ、ボローニャ、ヴェローナ、ベルガモ、モンツァ、パドヴァ、パヴィア、ポルデノーネ、プラート、トレヴィーゾ、トリエステ、ヴァレーゼ、レッジョ・カラブリア、パレルモの15都市でトヨタが最も売れたブランドとなりました。ローマでは5台に1台がトヨタハイブリッド車。イタリアの都市部はストップアンドゴーが多いので、日本の道路事情にも近く、燃費や故障の少ないトヨタ車が好まれるのでしょう。
心穏やかではないイタリア
先程説明しました通り、トヨタがイタリア市場のブランド別販売台数で2位を獲得しましたが、イタリア政府や地元の産業界からすれば、心穏やかではない深刻な事態です。
これは、トヨタが2位を獲得したことを問題視している訳ではありません。トヨタが特別に価格破壊や奇策を仕掛けたわけではないからです。むしろ、イタリア国内メーカーの地位が相対的に低下していることが大きな問題なのです。
イタリアにはFIAT、Alfa Romeo、Lancia、Maseratiという歴史ある自動車メーカーが存在します。しかし、ステランティスという巨大な多国籍企業に統合され、生産・投資・開発拠点を人件費やエネルギーコストの低い国外に最適化されました。これによってイタリア国内の工場稼働率や生産台数が低下し、雇用や技術にも大きな影響を与え、自国ブランドを持っていながら自動車を作る生産基盤が弱くなってしまったのです。メローニ首相が怒っているのはまさにこの点です。
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