30年で進化した安全性と、クラッシュテスト豆知識
交通ルールを遵守して走る一般的な道路環境を前提にするなら、実用域を大きく超えるようなスピードや制動力の進化をこれ以上求めたところで宝の持ち腐れになります。
30年前の自動車の性能でも、高速道路で100km/h~120km/hで走行できます。人や物をより早く目的地まで運ぶことは、いくら自動車の高速性能を向上させても交通ルールが存在する以上短縮することはできません。
となると、随分昔からスピード(加速性能)に関しては十分なレベルに到達していたことになりますね。
それでも自動車は日進月歩で進化していて、安全性能や環境性能、インフォテイメント、車体構造と素材技術、設計プロセス等は確実に進化しています。
30年で進化した安全性
米国道路安全保険協会(IIHS)がYoutubeに公開した興味深い動画が話題になっています。
30年前のシボレーブレイザーと、現行のシボレーブレイザーを両車60km/程の速度でオフセット衝突させる映像です。
1996年のブレーザーはAピラー(フロントガラスの柱)が折れ、ルーフまで一瞬で歪んでいます。この状態だと自力で脱出することも困難で、車外からの救出も油圧カッターやスプレッダーが無いと難しそうです。安全性の高い低い関係なく、安全運転を心がけなくてはなりませんが、古い車はより注意する必要があります。
クラッシュテスト豆知識
クラッシュテストでよくある勘違いの豆知識。
動画のクラッシュテストは2台とも時速60km/h程で走らせた状態で行っています。
「2台とも時速60km/hで走らせての正面衝突した、つまり120km/で壁に衝突したと同じだ!」
これは大きな間違いです。
たしかに両車は相対的には120km/hで近づいていることは事実です。
しかし、2台の車両の60km/hの正面衝突は「時速60km/hで壁に衝突した分のダメージ」が正解です。
走行速度から停止するまでの時間でダメージが決まるからです。
「60km/hで壁に衝突」を基準値にすると以下の表のようになります
| 状況 | 速度変化(Δv) | 車が吸収するエネルギー(1台あたり) | 停止時間(概念) |
|---|---|---|---|
| 60km/hで壁に衝突 | 60→0 | 基準の1倍 | 基準値 |
| 同型・同重量の車同士が60km/hで正面衝突 | 60→0 | 基準の1倍 | 60km/h壁衝突とほぼ同じ |
| 120km/hで壁に衝突 | 120→0 | 基準の4倍 | 短い |
運動エネルギーは速度の二乗に比例します。60km/h同士の正面衝突より、120km/h単独で壁にぶつかった方が4倍危ないのです。
好きな車と、暮らそう。
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