インドで軽油争奪戦が起こっている理由
インドの一部地域では、ガソリンスタンドで軽油のパニック買いが起こり、行列ができていたり、そもそも買うことができなくなっています。
ガソリンスタンドに到着したタンクローリーを待ち構えていた群衆が取り囲み、警察が鎮圧する騒ぎになったところもあったみたいです。
日本と比べて石油の備蓄量が少ないインドでは、燃料不足はかなり深刻。そこに、インド特有のある理由(仕組みが)が深刻な軽油争奪戦に導いています。
インドで軽油争奪戦が起こっている理由
インド特有の燃料争奪戦が起こっている理由は、燃料価格差。
- 企業向け価格(大口向け)
- 一般小売価格
この2つの価格に大きな差が発生したからです。
「大口取引の企業向けが安いのか」
と思われるかもしれませんが、大口取引の方が価格が高いのです。
特に物流トラックや大型バス、建設機械などで使われるディーゼル燃料(軽油)は、今回のパニックの主犯で、一般消費者向け価格より大口取引価格の方が約1.4倍〜1.5倍も高いのです。
企業は収益悪化を避けるために、自社の車両を一般消費者が利用するガソリンスタンドで給油をし始めたので、一般消費者との間で奪い合いが発生。
なぜ価格差の大きな二重価格になったのか
では、なぜ混乱が生じるような価格差の大きな二重価格が発生してしまったのでしょうか?
- 大口向け価格の構造
鉄道や大手物流企業が石油会社から一括で購入する大口向け価格は、2012年に完全自由化されました。つまり、原油価格がほぼリアルタイムでダイレクトに価格に反映されます。 - 一般消費者価格の構造
街のガソリンスタンドの燃料小売価格は、仕組み上は毎日変動することになってはいますが、実際は政府の強いコントロール下にあります。生活に直結する燃料価格が急騰すると、国民が政府に不満を抱き選挙で不利になることを防ぐべく値上げを凍結するよう要請しているのです。
この歪みが1.4倍~1.5倍の二重価格を生み出しました。軽油の供給元(石油会社)が同じなのに。
「石油会社は政府の要請を受け入れなければ良いのでは?」と思うかもしれませんが、インド最大手のインディアン・オイルは国営企業で、人事権もモディ政権に握られています。
インドは一ヶ月で4度目の燃料値上げを実施しました。このまま燃料不足や二重価格が続いた場合、インド経済に深刻なダメージが発生し、強いインフレになる恐れがあります。
構造ははかなり違いますが、日本も他人事ではないかも?
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