BYD ATTO3、ミサイル着弾でも乗員全員生存

2026年3月6日

イラン情勢でミサイル攻撃を受けた中国のEV、BYD ATTO3が話題になっています。

1.事件の概要

3月1日、イスラエルのエルサレム付近で、BYD ATTO3のすぐ近くにミサイルが着弾。凄まじい衝撃を受けたにも関わらず、車両のシステムは正常に作動し続け、運転手は中程度の負傷、同乗者4人は軽傷あるいはほぼ無傷の状態で、全員の命を守りました。

当初SNSで情報が拡散されたときには「ATTO3にミサイルが直撃した」と言われていましたが、流石にそれは言葉が先走りしていたようです。直撃していたら戦車でも大ダメージだったと思います。

直撃ではなくても極至近距離で爆発したことは事実で、道路には深く大きなクレーターができていました。

2.衝撃に耐えた堅牢なキャビンとバッテリー

至近距離にミサイルが着弾したにも関わらず、ATTO 3のABCピラーは変形せず、物理的破損を受けていない灯火類は低電圧システムが機能して点灯していました。もし電気の供給が絶たれていたら、レスキュー隊はドアを開けるために特殊工具を使って切断する作業が必要でしたが、問題なくドアは開いたそうです。

そして、「中国のEV=バッテリーから火を噴く」のイメージがありましたが、至近距離のミサイル着弾でもバッテリーが無事だったことで、その固定観念が覆ることになりました。

3.誰も真似できない実証事件

今回のATTO 3のミサイル至近距離着弾は、結果的にどんな自動車メーカーでも不可能な公開試験場になりました。戦争に使われるミサイルを近くで着弾させるテストなんて、恐らく防弾車両専門メーカーですらやらないと思います。

しかも要人が乗る防弾車両ではなく、ATTO 3はスーパーに買い物に行ったりするような乗用車ですから。防弾車メーカーの試験でもライフル銃、地雷や手榴弾位で、ここまではやらない(と言うかやれない)はず。

4.BYDの追い風になる出来事

ATTO 3はもともと安全性が高く、Euro NCAPでも満点の★★★★★(星5)評価を受けています。それに加えて、至近距離のミサイル攻撃にも耐えた実績ができました。

とは言え、今回のATTO 3の件は惨劇の中でのニュースだったので、露骨に大喜びすることはさすがにできません。それでもBYDはこの状況を最大限に活かそうと、BYD幹部のLu Tian氏は「Safety is the ultimate luxury(安全こそ究極の贅沢)」と、事実を淡々と共有し哲学を語るというスタイルで、遠回しな表現でメッセージを発信したそうです。

 

5.運が良かっただけかも?

このネタでブログを書きながら言うのもなんですが、今回のニュースを見て、

「いや~、BYDは至近距離のミサイル着弾にも耐えるって凄い!」

と思うのは早合点かもしれません。恐らく、乗員全員の命が無事だった要素は安全構造よりも運の要素の方が高い可能性があるからです。同じ位の距離で着弾していたとしても、僅かな角度や位置の違いで乗員が全滅していた可能性もあると思います。

 


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