バングラデシュの交通事故と「群衆裁判」リスク

2026年1月19日

先日、愛知県弥富市にあるバングラディシュ料理店に食事をしに行きました。かなり個性的なお店なので、エスニック料理が好きな方には是非一度は行って欲しいと思っています。

食事をして、バングラディシュの自動車事情についてにわかに興味を持ち、調べてみたところ、驚きの事実が分かりました。

無免許運転、無登録車両が驚くほど多い

バングラディシュでは少なくとも100万件、詳しく調査をしたら数百万件規模の無免許があると言われています。また、未登録車両も100万~200万台規模で存在すると言われています。

無免許運転がやむを得ない事情

違反は良くないことは当たり前ですが、バングラディシュではルールを破らないとまともな生活ができない事情があるようです。運転免許取得が困難な理由は

  • 教習・試験・免許発行の仕組みが確立されていない
  • 運転免許取得の教習所や試験会場が驚くほど少ない
  • ICカードの供給不足で物理的に発行できない
  • 蔓延する汚職で正規ルートより賄賂を支払った裏ルートが優先される
  • オンライン申請のシステムエラーが多い

さらに、警察が無免許運転、無登録運転を取り締まろうものなら、暴動に発展する恐れがあり、おいそれと取り締まりができないそうです。2018年に交通ルールが厳しくなった際にもデモが起こりました。

事故が発生したらどうなる?

気になるのは、無免許運転・無登録車両で事故が起こったらどうなるのか?

バングラディシュでは、無免許運転や無登録車両が事故を起こした場合、実務上は保険が使えないケースがほとんどであり、軽度〜中程度の事故では、警察や裁判を介さず、その場での現金による即席示談で解決されることが一般的です。

事故で最悪のケースは群衆裁判

しかし、事故の内容によっては、とても恐ろしいことが起こる可能性があります。それは群衆によるジャッジです。事故で野次馬が集まると、その野次馬がどんどん増えて群衆になります。司法や警察への不信、群集心理によって自分たちが法律を代行しなければならないと錯覚し、事故の仲裁に介入。仮に事故当事者の一方が富裕層で一方が貧困層だった場合、群衆は事故の過失割合関係なく、富裕層を攻める傾向が強いです。

そうなると、高級車をボコボコに破壊されたり、悪い条件が重なると最悪集団リンチされる恐れがあるのだとか。暴動に発展するのは稀なケースだと思いますが、もしバングラディシュに観光するにしても、外国人観光客が自らハンドルを握ることは絶対に避けたほうがよいでしょうね。