ノルウェーが羨ましい

2025年10月17日

ノルウェーは2025年までに新車販売の100%を電気自動車にする、と言う目標を掲げていました。現在の新車販売に占めるEVの割合が96%位なので、ほぼ目標を達成したと言えるでしょう。

ノルウェー政府のEV優遇策

ノルウェー政府はこの目標を達成するために、EV購入に大きなインセンティブを与えてきました。

・VAT(付加価値)免除
・登録や購入時に必要な税金の免除y
・毎年課税される年次道路税(日本の自動車税に近い)
・有料道路や公営フェリーの通行料の大幅割引
・バスレーンの走行許可
・有料の公共駐車場の無料利用や大幅割引
・EV導入企業への社用車の税金引き下げ


EV優遇の恩恵が凄まじい

ノルウェーのEV優遇はかなり強力で、EVが急速に普及したのは間違いなくこのEV優遇の影響です。

例えば500万円のEVの新車を購入して3年乗った場合、同額のICE(内燃機関車)と比べてどれくらい節約につながるのかを調べてみると…

優遇策 ICE車への課税(概算) EVでの節約額
付加価値税(VAT) 25% 約100万円
(500万円÷1.25 × 25%)
登録税/購入税 20〜50% 約100万円
(ICE車の排出量により変動。ここでは20%と仮定)
購入時総節約額 約200万円
優遇策 ICE車との比較(3年間) EVでの節約額
燃料費の差 ガソリン代 vs. 電気代 約30万円
(EVの方が大幅に安価)
年次道路税 毎年数千NOK(数万円) 約5万円
公共駐車場料金 割引・無料 約5万~30万円
(利用頻度による)
有料道路料金 割引・無料 約10万~50万円
(通勤頻度や場所による)
3年間のランニングコスト総節約額 約45万~115万円

 

500万円クラスの車の場合、内燃機関車と比較して、新車購入から3年間で約245万円から315万円以上の金銭的な恩恵があったと推定されます。

さらに、この金銭的な恩恵に加え、バスレーンの利用による渋滞時の通勤時間の短縮という、QOLの向上効果もかなり大きいのではないでしょうか。


矛盾するノルウェーの環境政策

ノルウェーはEV普及と言う環境対策によって、地球の環境保護に大きな貢献をしているイメージが強いのですよね。しかし、ノルウェーは大きな矛盾した行動をしています。

ご存じの方も多いと思いますが、ノルウェーは世界の主要な石油輸出国の一つで、石油意外に天然ガスも輸出しています。ノルウェーの輸出総額の大部分が石油と天然ガス、主にドイツやイギリス、オランダ、フランス、ベルギーに輸出しています。


石油の輸出がノルウェー国民の老後の生活費

資源の乏しい日本にとって、産油国はとても羨ましい限りです。

ノルウェー国民の老後の生活費、つまり年金は、石油の輸出によって賄われてます。政府年金基金グローバル (Government Pension Fund Global: GPFG)が石油基金と呼ばれている理由がこれ。この石油基金の運用資産残高は250兆円~260兆円に達すると言われていて、日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と並び世界トップクラスの規模の年金機構です。

日本とノルウェーの運用資産残高がほぼ同じくらいですが、ノルウェーの人口はたった550万人

石油という棚からぼた餅的な富を政府が管理し、国民全員が油田のオーナーとなり、その富を550万人で分け合えるとてもハッピーな国(本当にハッピーかは住んでみないと分かりませんが…)。重要なのは、石油はいつか枯渇しますが、石油で得た流動的な富を、恒久的な金融資産にすることでそのリスク回避を狙っている、という点。これは、資源の輸出による外貨急増で自国産業が衰退し、インフレや経済不安定に陥るオランダ病を防ぐための国家戦略。ノルウェー政府は、基金からの運用益のごく一部しか国内で使わないという厳格なルールを設け、国内経済の過熱を防いでいます。

もし日本のどこかの海で大規模な油田やその他資源が見つかったら、その収益を国民全体で共有することがあるのだろうか?


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