テスラに約360億円の賠償命令「運転支援」なのに責任を問われた?

2025年8月3日

テスラのオートパイロット(運転支援システム)に欠陥あり死亡事故が起こったとして、連邦地方裁判所はテスラに約360億円の損害賠償を命じました。

今回の死亡事故、テスラのオートパイロットは完全自動運転ではなく、あくまで運転支援システムのレベル2に分類されるものでした。つまり、最終責任はドライバーにあります。

最終責任はドライバーにあるのに、なぜテスラにとって不利な判決が出たのでしょうか。?


なぜ事故が起こったか?

今回の事故は、テスラのドライバーが運転中に携帯電話を落とし、それを拾おうとして起こりました。ドライバーは携帯電話を拾っている間、エンハンスド・オートパイロットが障害物を検知してブレーキをかけると信じていたそうです。しかし、時速60マイル(約97km)以上で交差点を通過する際、近くに停車していた車に衝突し、その車の反対側に立っていた持ち主夫婦をはねてしまいました。


オートパイロットの過信を誘う宣伝

消費者が完全自動運転ではないオートパイロットを、完全自動運転、あるいはそれに近い性能があると信じこませる宣伝に問題があったことが問題視されました。

予てからイーロンマスクは、オートパイロットは人間よりも運転が上手いと述べていました。オートパイロット(自動操縦)と言う名称が、実際の性能と乖離していることも指摘されています。

また、事故を起こしたテスラのオートパイロットは、ハイウェイでの使用を想定したシステムでした。本来使うべきではない市街地でそれを使用可能な状態にしていたことも問題視しています。

今回の判決は、「最終責任はドライバーにある」という運転支援レベル2の原則に対し、メーカーの不適切な宣伝や設計が、法的責任を大きく左右するという前例を示したことになりますね。


感情的な側面で不利な立場に

テスラ側は、今回の事故はオートパイロットに問題は無く、ドライバーが悪いと主張しています。

テスラにはねられた歩行者は若いカップルで、そのうち1人が死亡、1人が重傷と言う悲劇に巻き込まれました。この悲劇に対し、あくまでドライバーが悪いと主張するテスラに対する印象がかなり悪くなっていたようです。

今回の約360億円という巨額な賠償金支払い命令は、被害者への補償だけでなく、反省を見せないテスラの行為を罰するための懲罰的損害賠償が含まれていること言われています。

因みに今回の裁判の結果に納得していないテスラは控訴すると発表しています。


自動車メーカーは訴訟に直面することが多い業界です。絶対数ではテスラより訴訟件数が多いメーカーは存在しますが、販売台数1万台あたりの訴訟件数で比較すると、アメリカで最も多く訴訟に直面している自動車メーカーと言えます。それだけテスラは業界の常識を打ち破り、積極的に攻めていることの裏返しと言えます。イーロンマスクを筆頭にリスクを恐れない企業文化だから、テスラは短期間でここまで躍進したのですが、その副作用も徐々に強くなっているようです。


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