中国の走行0km中古車の秘密と増え続ける世界の四輪車の保有台数

2025年6月25日

2022年時点では、世界の四輪車の保有台数は16億台を超えている言われています。

そして、年間約9000万台から1億台の新車が世界中で生産・販売されています。今後も世界の四輪車の保有台数は増えますが、この統計は正確性を失う恐れがあります。


なぜ統計は正確性を失うのか?

中国の自動車メーカーは完成車をディーラーに出荷した時点で新車登録し、ここで販売台数としてカウントされます(例えデッドストックであっても)。しかし、実際にそれらの車の一部は国内で販売されず(捌ききれず)、すぐに走行距離0kmの中古車(零公里二手車と呼ぶ)として海外に輸出されます。

例えば10,000台の完成車を出荷した時点で、統計上は10,000台が新車登録されます。このうち5,000台が中国国内で捌ききれなかった場合、その5,000台は走行ゼロキロ中古車として海外に輸出されます。その輸出先では5,000台分が保有台数としてカウントされるので統計の二重取りが起こり得るのです。

日本でも多数の中古車が国外に輸出されていますが、統計の二重取りは発生しません。その理由は、日本から輸出された自動車は中古車輸出として統計に計上されます。つまり輸出された分は日本の保有台数から減算されるのです。

しかし中国ではゼロキロ中古車を国外に輸出しても、国内の新車販売統計からその分が減算されないため、統計上の重複、つまり「架空の国内販売台数」が世界全体の統計に上乗せされてしまうのです。


中国が輸出分を販売統計から差し引かない主な理由

これが謎です。

中国の政策として闇雲に数字を追っていて、成長指標の見栄えを良くしようとしているのでしょうか?

あるいは、中国の統計システム・制度に未整備な点があり、自動車メーカーが補助金や政府支援金を受給するための抜け穴(ゼロキロ中古車スキーム)として利用しているのでしょうか?となると、中国の自動車メーカーは、捌ききれなかった在庫をゼロキロ中古車(零公里二手車)として海外に輸出しているのではなく、ゼロキロ中古車(零公里二手車)が目的で生産計画を立てている可能性もあります。


いずれにしても公式な発表が無いので分かりませんね。下手に発表したら、ダンピングと見なされる恐れがあるので、謎のままにしておくのでしょう。

ただ、統計の二重カウントを切り離して考えても、過剰生産・過剰輸出は国際的な貿易摩擦や、環境にも大きな負担になります。環境負担を軽減するはずのEVが、無駄に大量に生産されていたら、製造段階や輸送時にCO2を排出します。

中国の自動車メーカー、そしてそれを支える産業構造は、泳ぎ続けなければ死ぬサメのような状態になっているのかもしれません。


好きな車と、暮らそう。

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