ロシアの新型SUV「ラーダ・アジムート」、ダチア・ダスターに酷似?
ロシアの自動車メーカーAVTOVAZが、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでLADAの新型SUV「Azimut」を発表しました。
事前にお伝えしておきますが、この車両を輸入することはできません。
Azimutの名称は、約5万人いるアフトヴァズの従業員による公開コンペティションに基づいて選ばれたそうです。
・長さ:4416 mm
・幅:1838 mm
・高さ:1607 mm
・トランク容量:508リットル
・燃料タンク – 55リットル
エンジンは1.6Lまたは1.8L、ターボモデルもあるそうです。
パノラマサンルーフや360度ビューカメラ、スマートフォンのワイヤレス充電、デュアルゾーンエアコン、路面状況に応じた走行モードチョイスシステム、先進運転支援システムも装備されているようです。
このAzimut、現行のDACIA DUSTERとデザインやサイズ感が似ています。
似ている理由は、比較的最近の歴史を調べれば分かります。
AVTOVAZがルノー・日産アライアンスだった時代に、ルノーと日産が共同開発したB0プラットフォームはダチア・ダスターの基盤となりました。その頃、LADAはアライアンスからの技術支援を受けてB0プラットフォームをベースに独自のプラットフォーム「Lada B/C」を開発。Azimutはダチア・ダスターと同じDNAを共有しているので、似た感じになるのは自然なことと言えるでしょう。
弊社もLADA 4×4(NIVA)を輸入していたので、ウクライナ情勢が始まる前後はAVTOVAZの状況を注視してきました。ウクライナ情勢直後まではAVTOVAZはルノー・日産のアライアンスの一員でした。しかし、このウクライナ情勢に関連して、ルノーはAVTOVAZの株式(67.69%)をロシア政府系の自動車研究所に1ルーブルで売却しています。1ルーブル(日本円で2円弱)いう価格で売却した理由は、ルノーがロシア事業から早期撤退することを最優先と考えていたからでしょう。ちなみに0ルーブルにしてしまうと売却ではなく譲渡になるので、法的・会計処理上1ルーブルで売却しています。
ルノーは完全にAVTOVAZと縁を切ったわけではありません。
JETROの混迷のウクライナ情勢下での欧州企業の対ロシア・ウクライナ投資動向のページ、「再進出の布石打った上でのロシア事業売却」によりますと
“ルノーは、ロシア合弁アフトワズの持ち株67.69%をロシアの中央自動車エンジン科学研究所(NAMI)へ売却する契約を取締役会で承認したと発表。同契約には、ルノーがアフトワズの持ち株を6年以内に買い戻すことを可能とする条項が規定されているとした。”
つまり、6年位内に持ち株を買い戻すことを可能とするコールオプションが含まれていたことが分かります。しかし、買い戻すにしてもルノーは撤退時に1ルーブルで売却しているので、その際に大きな損失を出しました。再びAVTOVAZの株式を買い戻す可能性は低い気がします。
となると、買い戻せない上に技術支援も無駄になり、その技術をロシアにレガシー資産として譲渡した形になります。
好きな車と、暮らそう。
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