アメリカ発、陸送業務に潜む落とし穴

2025年6月18日

アメリカと日本を比べると、そのスケールの違いはあらゆる面で際立っています。経済規模、広大な土地を生かした農場の広さ、街で見かける建物の大きさ、レストランで提供される食事のボリューム等、その違いは枚挙にいとまがありません。

そんなアメリカでは最近、まるで映画やドラマのワンシーンのような方法の自動車窃盗被害が発生しているそうです。

その方法とは、窃盗犯が自動車の運搬会社を装って、自動車ディーラーから自動車を盗む、と言う手口。

  1. 自動車ディーラーが、車両の陸送を予約する
    自動車ディーラーが、別の自動車ディーラーに在庫を移動させようと陸送会社に輸送の予約をします。
  2. ディーラーの陸送予約情報を入手
    何らかの方法で、ディーラーの陸送予約と、予約車両の車種や年式、VIN(車台番号)や行き先を入手。
  3. 適切なタイミングで車両を引取
    本物の陸送会社が引き取りに来る予定時刻より早めに店舗に到着。偽の身分証明書、偽の車両受取書を持って、
    「◯◯行きの△△車を引き取りに来ました」
    と、ディーラーにやってきます。
  4. ディーラースタッフは疑うこと無く車両を渡す
    ディーラーのスタッフは、いつもどおりの流れで企業のロゴやIDをチェックして、疑うこと無く車両を引き渡します。

2.の”ディーラーの陸送予約を入手“、ここが最も重要な注意喚起ポイントだと思います。外部からの組織的なサイバー攻撃で情報を盗むにしては、高度な技術に対する見返りが少く、そう何回も使える手段とは言えません。ということは、ディーラーか陸送会社の内部の人間が情報を漏らした(売った)可能性が高いのだと思います。


弊社も陸送会社を利用して車両を輸送することが多々あります。

・ロゴ入りのキャリアカー
・ロゴ入り、社名入ユニフォーム姿
・IDと車両受取り書類を持参
・車種や行き先等の具体的な情報を知っている

この条件が揃っていて車両を引き取りに来られたら、恐らく疑うことはないと思います。

ただ、弊社が利用している陸送会社さんは、ミシン目で切り取る半券になっている書類もありますので、DIYで制作すのは難しいでしょう(この思い込みがいけないのかも…)

アメリカの窃盗の手口とは言え、この情報を知ってしまった以上、今後の車両の引き渡しにはより注意深くなる必要があると思いました。


好きな車と、暮らそう。

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