BYDの軽EVは売れない?それでも「恐ろしい」と言える理由
BYDジャパンのオフィシャルサイトに2026年後半に日本専用設計の乗用軽EVの国内導入を決定と告知しています。
ニュースでもご存知の方も多いと多いと思いますが、BYDは日本の軽自動車企画のEVを2026年に導入するそうです。
BYDの軽EVが売れるか売れないか?と聞かれたら、私は売れないと思います。恐らくBYDもめちゃくちゃ売れる、とは思っていないのでは無いでしょうか。
「じゃあBYDの軽EVは怖くないね?」
と思うかもしれません。しかしこの軽EV、BYDは売れる売れないに関係無く、もっと先を見ている可能性が高いと思います。つまりそれは日本の自動車業界にとって恐ろしい存在になる可能性がある、ということになります。
sina.com.cnより引用
BYDの軽EVが脅威になる理由
BYDの本気度
輸入車の軽登録車は過去にもありました。その代表的な例がSmartでしょう。SmartとBYDの大きな違いは、
- Smartは車両サイズと排気量がたまたま日本の軽規格にも収まった(狙った訳では無い)
- BYDの軽EVは、日本の軽規格に合わせて設計・開発される(軽規格を狙った)
BYDの軽EVは日本独自である軽四市場を狙って、わざわざ軽EV専用の新プラットフォームから開発しているのです。他の車両のプラットフォームが日本の軽規格に合わなかったと言う理由もあると思いますが、他の自動車メーカーはその時点で開発を諦めます。
早い決断
レスポンスの記事、「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言を見ると、日本国内に多数の軽自動車が走り回っている事実をBYDが把握したのは2023年です。その後、間違いなくBYDは日本の軽自動車と、日本の軽四市場を徹底的に調査しているはずです。
BYDは、車両サイズこそ小さい軽自動車ですが、年間170万台程売れている実は大きなマーケットであることに可能性を見出したのでしょう。2026年後半の導入が実現したら、市場調査や開発速度、判断速度がかなり早いと言えます。
市場浸透戦略?
BYDの軽EVはいきなり大ヒットにはならないと思います。しかし、日本導入直後のフェーズは、乗用車だけではなく軽四市場にも食い込むこと、つまり、「まずは土俵の上に立つこと」を目指しているのかもしれません。これが市場の浸透戦略の始まりです。
皆さんもご存知だと思いますがAnker、DJI、Hisenseは中国の企業です。
モバイルバッテリーやスマートフォンの充電器を購入する際、Amazonで商品選びをする際、Anker製品なら安心しますよね?
予算があって高性能ドローンを買うならDJIを選びますよね?
他にも、TCL、Eufy、Xiaomi等、これらはAmazonを利用して日本市場にいつの間にか浸透しています。この戦略はじわじわと日本メーカーの商品を市場から追い出し、駆逐する恐ろしさがあります。かく言う私も自分の部屋のテレビはハイセンス、Ankerのモバイルバッテリーや充電器、EufyのGPSトラッカー、自分の部屋の空気清浄機はXiaomiです。
中国のメーカーは、ニーズの汲み取りがとても上手いです。使いもしない余計な機能を付けて高く売るやり方はもう時代遅れ。必要とされる機能やトレンドを的確に分析して商品化しているAnker、Xiaomi、Hisenseの製品をいつの間にか日本人も買っています。
中国メーカーの商品が日本市場に浸透した後、国内のメーカーは
「あれ、俺達の製品がぜんぜん売れないぞ…」
シロアリに家を蝕まれるように、売れなくなってから原因を分析しても時すでに遅し。自動車だってそうなる可能性ありますよ。
好きな車と、暮らそう。
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