関税が追い風になる? 欧州の“あの自動車メーカー”の話
アメリカの関税が追い風になると言われている自動車メーカーがあります。
どこか分かりますか?
ヒントは、欧州の自動車メーカーです。
答えは…
ルノーです
ルノー車はアメリカで販売されていないので、車の事に詳しい人なら簡単に答えが分かったかもしれませんね。
アメリカがフランス(EU)に対し、高い関税かけようが、そもそもアメリカに輸出していないルノー車にとってはノーダメージ。それどころか、競合他社の自動車メーカーが米関税で消耗しているのであれば、ルノーにとって追い風になります。
そんなルノーですが、過去にアメリカ市場に進出したことがありました。1960年代初頭から提携関係にあったアメリカ第4位のアメリカン・モーターズ(AMC)を1979年に買収し、本格的にアメリカ進出を狙っていたことがあります。AMCを通じてルノー・アライアンス(ルノー9ベース)やアンコール、メダリオン等を現地生産し販売していました。
ルノーのアメリカ進出、出だしはまあまあ好調でしたが、販売が拡大するにつれ、故障が多く錆のトラブルも多かったので大きく評価を落としました。特に先発の日本車と比べて品質面で後れを取っていました。結果ルノーは北米で販売不振に陥り、1987年にとうとうルノーはAMC株をクライスラーに売却、アメリカ市場から撤退しました。
以降ルノーはアメリカ市場に再進出していませんが、日産、三菱自動車とアライアンスを組んでからは
「北米市場は日産と三菱に任せた」
と、無理にルノーは北米に再進出を目指さず、アライアンス内で間接的に利益を出せば良い、と言う考え方を持つようになったようです。
自動車メーカーは関税、覇権争い、地政学リスク等、外的要因に振り回されがちです。いろんな縛りのない、クルマづくりに専念できる環境が整えばもっと楽しい車が増えると思うのですが…
好きな車と、暮らそう。
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