米自動車関税がBYD躍進を後押しする

2025年3月28日

トランプ米大統領が輸入自動車に対し、25%の追加課税を課す文書に署名しました。

関税の影響で今後自動車業界がどうなるのでしょうか?様々な意見が出ていますが、指数関数的に成長してきた中国の自動車メーカーBYDが、更に有利な立場になる可能性が有ります。

その理由は複数あります。

  1. BYDは米市場に依存していない
    日本の自動車メーカーは、巨大市場であるアメリカへの依存度が高いです。例えばマツダは2023年の米販売車で現地生産されている比率は12%しかありませんので、大半の米販売車両が関税の影響を受けることになります。

    かといって人件費が高くの労働組合の力も強いアメリカで現地生産を増やすことは容易ではありません。
    BYDも勿論アメリカ市場を狙ってはいたでしょうが、依存度高くない分ダメージは最低限。

  2. アメリカ市場への注力度の低下
    アメリカはとても魅力的な市場ですが、それは高い関税が無い場合の話。高い関税によってその魅力が無くなると言う事は、各自動車メーカーはアメリカ以外の成長が見込める他の市場へ注力することになります。

    BYDは既にアジア、ヨーロッパ、中南米等、積極的にいろんな国々へグローバル展開を進めています。この調子でシェアを獲得すれば遠くない未来に世界1位の座を獲得するかも。

  3. 圧倒的なコストパフォーマンス
    BYDがグローバル展開を進めていると言う事は、日本や欧州自動車メーカーは、価格競争力が極めて高いBYDとシェアを奪い合わなければなりません。日本の自動車市場は、国産自動車メーカーが圧倒的なシェアを獲得しています。日本の車は色んな国でも販売のシェアを獲得してきましたが、それが徐々に中国車に塗り替えられており、日本国内ですらそのシェアを奪ってくる可能性があります。

    「中国車にそんなことができるわけがない」

    と思っている人も多いと思いますが、批判を恐れずに言うとその考え方は古いと言わざるを得ません。勿論そうなって欲しいとは全く思いません、むしろそうならないように頑張ってほしいと強く思っています。

    この高いコストパフォーマンスが25%の関税を物ともせず、アメリカ市場に進出して一定のシェアを獲得してくる、と言うシナリオも有りえます。例えば車両本体価格

    30,000ドル

    の車が25%関税で

    37,500ドルになったとします。

    BYDは価格の割に装備が良いので、37,500ドルであっても十分お値打ちだと消費者が判断するかもしれません。

  4. 桁違いの意思決定スピード
    近年の世界の自動車業界は環境規制、EV化、新型コロナによる半導体不足等、かなり混乱しました。そんな時に力を発揮するのは意思決定スピードの速さです。

    中国の自動車メーカーは歴史ある自動車メーカーと違い、比較的フラットな組織構造を持っています。市場変化や新技術に対する対応速度が速く、しかも彼らは失敗を恐れません。

    日産自動車がホンダとの経営統合の話が破綻しましたが、BYDの意思決定力・速度は日産自動車とは180度違います。

関税の問題はこれから始まるところです。この関税が世界の自動車市場にどんな影響を与えるのか、今後の動向から目が離せません。


好きな車と、暮らそう。

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