ブレーキフルードを使用しないブレーキ

2025年3月21日

パーキングブレーキは電子化が進んでいますが、走行してい状態から減速するブレーキ(サービスブレーキと呼びます)は、長い歴史の中で基本的な構造は油圧式のまま変わっていません。

パーキングブレーキはその特性上、作動させるか解除するかの二択です。一方、サービスブレーキは、走行速度や停車するまでの距離、路面の条件や傾斜の有無等によって、微妙な力加減で減速させなければなりません。

技術的な問題でサービスブレーキは現在でも油圧が採用されていますが、BREMBOと自動車部品メーカーのZFがブレーキフルードを使用しなブレーキを開発しているそうです。

この電動ブレーキシステムは、ブレーキペダルを踏むと電気信号で各車輪のブレーキキャリパー内の電気モーターを動かし、ブレーキパッドを制御する仕組み。

電動化のメリットは

  • 油圧システムよりも応答速度が速い
  • ABSやESC等の電子制御システムとの親和性が高い
  • 油圧配管から電気配線に置き換わるので、車両設計の自由度が増す
  • メンテナンスの簡素化

しかし、ブレーキキャリパーにモーターが組み込まれるのでブレーキキャリパーが大きくなるデメリットも。

また、電気系統の故障が発生してブレーキが機能しなくなる、という最悪の事態に陥らないよう、二重三重の安全策が求められます。となると、コストも増えるので乗用車に採用されるのは先の話になると思います。

まずはキャリパーが大きくなっても収まる、トラック等の大型車に採用することを目標にしているそうです。

今の油圧ブレーキがとても有能で信頼性も高いため、無理に電動化しなくても良いのでは?と思いますが、それは現時点での話。

電動ブレーキはAIや自動運転技術との親和性が高いので、いずれ油圧ブレーキから電動ブレーキに置き換わる日が来るのだと思います。


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