トロッコ問題から考える自動運転AIの倫理的なジレンマ

2025年2月12日

今日のブログは、皆さんにもチャレンジしてほしい自動運転に関する調査があります。時間がある人はぜひチャレンジしてみてください。

高度運転支援システム(ADAS)の進化は目覚ましく、各自動車メーカーが競って開発を進めています。

中国のBYDは、God’s Eye(天神之眼)と呼ばれる高額車にのみ搭載されていた高度運転支援システムを、すべての車両に追加費用なしで搭載すると発表しました。

この発表直後、BYDの株価は上昇。逆に同じ中国の自動車メーカーであるXpeng(小鵬汽車)とGeely(吉利汽車)の株価は下落しました。高度運転支援システムへの関心が高いことが分かりますね。

高度運転支援システムの衝突回避支援システムにもAIが活用され始めています。センサーからのデータを解析し、危険な状況を予測して自動で回避するのですが、それをどのように設定(学習)するかは各自動車メーカーで異なります。

衝突回避支援システムに使用される画像解析能力やAIが将来さらに進化して、人種や年齢、性別、人数を認識するようになった場合、自動車メーカー側はどのようにAIに学習させるのかが気になります。

トロッコ問題を思い出す人も多いかもしれませんが、以下のような画像のシーンで、画像解析能力やAIが進化した場合どう回避するのか。

実際にこの研究をしているプロジェクトがあります。MORAL MACHINEです。

MORAL MACHINEは、マサチューセッツ工科大学の研究チームなどが中心となって行っている、自動運転車の倫理的な判断に関する大規模なアンケート調査プロジェクト。自動運転車が避けられない事故に遭遇した際に、どのような選択をすべきかについて、世界中の多くの人々から回答を集めています。

このプロジェクトに誰でも参加できます。日本語表示もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。アンケート形式で、早い人なら数分もあれば終わります。ただし、じっくり考えたら数十分、あるいは進めなくなる人もいるかも知れません。

https://www.moralmachine.net/hl/ja
リンクの[審査を始める]をクリックすると審査が始まります。

ただし、この審査を進めていると、以下のような少し嫌な選択を迫られることになります。

「余生が短い人は余生が長い人に生きるチャンスを譲るべきだ」
「交通ルールを守っていなければ事故で命を落としても文句は言えない」

と、合理的に考えればすぐに結論は出るかもしれません。しかし、少しでも倫理的に考えると道徳的ジレンマを伴うため答えが導き出せなくなります。

直進させるならまだしも、左右に回避することによって進路上以外の人が命を落とす選択は、神の領域的な判断を人やAIが行うことになります。たとえ命を落とす人が犯罪者であったとしても。

となると、自動車メーカーにとって最善の選択肢は、”あえて人の選別や回避行動をせず、減速・停止することを最優先にする” なのかもしれません。


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