開発競争が激化しているLiDAR

2024年11月3日

弊社は研究用の部品の輸入もしていますが、今自動車メーカーや部品メーカーが開発に力を入れているのはLiDAR(ライダー)と呼ばれるセンサーです。LiDAR(Light Detection And Ranging)は、レーザー光を用いて対象物までの距離を正確に測定し、高精度な3D認識が可能なセンサー。昼夜を問わず安定した検知性能を発揮し、cm単位の精度で物体を検出することができます。

今はまだ、先進運転支援システムはミリ波レーダーやカメラ(スバルのアイサイト)が主流です。スバルはアイサイトのステレオカメラとAIとの相性が良いことに着目(LiDARとAIの相性も良いです…)しているため、現段階でのLiDARセンサーの開発予定は無いそうですが、今後は各自動車メーカーがLiDARを搭載した車両を増やすことが予想されます。

しかし、現時点ではLiDARはとても高価で搭載されているのは主に一部の高額車のみ。今後はコストを抑え、より小型化・軽量化が進むことによって多くの車両に搭載されるようになると思います。

LiDARの開発が最も活発に進んでいるのは中国。スピード重視の開発モデル、恐らく政府のバックアップもあって多くのスタートアップが参入しています。また、機械式、MEMS式、フラッシュ式、ソリッドステート式等方式の開発に着手しており、すでに中国では低コスト化も進みつつある、と言われています。

メルセデス・ベンツはこのLiDARを使用して飛来する石等を防ぐための新技術の開発し、ドイツ特許商標庁から特許を付与されました。LiDARを使用してポイントクラウド(障害物の点群)データを生成。危険物が接近、あるいは飛んでくると判断した場合は、事前に把握していた別車線の状況を確認して車線変更が可能だと判断した際に回避します。

雨や雪の日はどうするの?と思われるかもしれませんが、降ってくる雨や雪の特徴を学習したアルゴリズムを用いてフィルターをかけ、危険物との区別をするのだと思います。

飛び石を避けるために車線変更等で回避する、という行為は今までの常識では危険なことでした。しかし、リアルタイムで車両周辺の状況を収集した上で、LiDARやAIを使って危険物回避の最善な手段を判断させるシステムなら人間が判断するより良い結果に繋がる時代が来るのでしょう。人間の場合、目の前に現れた突然の危険物を無条件で避けてしまいそうですが、”避けない方が安全”という判断までしてくれるようになるかもしれません。

そんなLiDARですが、すでに貴方の身近に利用できる環境が整っているかもしれません。実はiPhoneの12Pro~16ProシリーズにLiDARスキャナが搭載されています。iPhone Proシリーズをお持ちでご興味がある方は、アプリの”Scaniverse“をインストールすれば、無料で素晴らしい機能を利用することができます。LiDAR非搭載モデルのiPhoneでも使用できるみたいですが、LiDAR搭載モデルの方が正確みたです。


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