1.2L PureTechエンジンのエンジンオイル劣化が早い問題

2024年10月7日

プジョーやシトロエンに搭載されている1.2LのPureTechエンジンを搭載した車両は、湿式タイミングベルト(オイルバスタイミングベルト)を採用しています。タイミングベルトがエンジンオイルに浸る状態になっているので、初めて見たときは驚きました。

湿式タイミングベルトのメリットは

・軽量化やエネルギーロス低減による燃費効率向上
・それによってCO2排出量を抑えることができる
・ベルトの摩耗や騒音を低減する

です。


画像はイメージです。

市場に導入された2012年頃は湿式タイミングベルトはとても画期的だと言われていましたが、欧州でも1.2LのPureTechエンジンの不具合が問題になっているようです。

その不具合は
・エンジンオイルの劣化が早い
・タイミングベルトの劣化が予想以上に早い
・それによって発生する様々な不調

です。

エンジンオイルの劣化が早い理由は、エンジンオイル内に燃料が混入するオイルダイリューションの発生です。エンジンオイルに燃料が混ざるとタイミングベルトの劣化を加速させ、それによってベルトから発生したゴミ(破片や粉塵)がオイル内に混ざってしまうそうです。そのゴミが悪さをするのです。

オイルに浸っていても問題のない素材のタイミングベルトを使用していましたが、燃料の混入によって当初の想定よりベルトの劣化が早くなっているのです。2021年にリコールが行われましたが、それでもこの問題が解決に至っていない車両が多く存在するそうです。

エンジンオイルへの燃料混入(オイルダイリューション)は、特に短距離や市街地のノロノロ運転が多いとそのリスクが高くなることが分かっています。

燃料混入による劣化の対策は、

・まめなオイル交換
・タイミングベルト交換は4万キロまたは3年毎に交換する
・オイル交換のたびにオイルパンのチェックと清掃をする

です。しかし、このエンジンのタイミングベルト交換はかな手間でコストもかかります。

欧州ではより強力な対策が開発されていて(まだ開発中?)、PureTech 1.2用のタイミングベルトをタイミングチェーンに換装すると言う荒業があるようです。さすがにこれはちょっと怖いかな…

1.2L PureTechエンジンを搭載した車両はマメなオイル交換をオススメします。オイルフィラーキャップを開ければベルトのコンディションも確認できるので、定期的にベルトのチェックをしたほうがよいでしょう。

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