韓国で相次ぐEV火災
今月1日、韓国の仁川市西区の青蘿国際都市にあるマンション地下駐車場でメルセデス・ベンツのEV、EQEから火が出て煙を吸い込んだ23人が病院に搬送されました。また、同地下駐車場の140台程の車両が火災の熱で被害を受け、そのうち40台は全焼しています。
177人の消防士と60台以上の消防車両出動しましたが、鎮火までに8時間以上かかったそうです。
地下駐車場で発生した火災ですが、居住エリアにも有毒ガスが回り、1580世帯が断水になり、470世帯以上が停電に見舞われ、800人以上の住民が避難を余儀なくされました。火災の原因となったメルセデス・ベンツEQEは、駐車して2日以上経過してから突然煙が出て発火したようです。※被害状況の数字に関しては、ニュースサイトによって異なります
また、今回の火災の被害が大きくなった原因の1つに、地下駐車場のスプリンクラーが作動していなかったことも影響しているとの情報も。
発火したEQEに使用されていたバッテリーは中国のFarasis Energy社が製造したニッケルコバルトマンガンだったそうです。中国メーカーのバッテリーを使用するなら、CATLのバッテリーを使っていそうなものですが、メルセデス・ベンツがFarasis Energy社のバッテリーを使用した理由があります。
2020年7月、メルセデス・ベンツはFarasis Energy社と戦略的提携を締結し、その提携の一環として、メルセデス・ベンツはFarasis Energy社に約3%出資しいます。そのためFarasis Energy社のバッテリーを採用することになったと考えられます。
また、タイミングの悪いことにEQE火災発生の翌週に、韓国の自動車メーカーKIAのEVも忠清南市金山市の駐車場で火災が発生しました。今回は地下駐車場ではなかったそうですが、2022年モデルのKIA EV6を建物1Fで充電中に火を吹いたそうです。今回鎮火まで要した時間は1時間半位でした。また、延焼しないよう周辺の車両をレッカー車で引き抜いて被害を最小限に抑えたそうです。EQE程大きな被害にはならなかったのですが、あまりにもタイミングが悪すぎました。
KIA EV6に搭載されていたのは、韓国製のSK-ON(SK온)のバッテリーでした。
立て続けにEVで発生した火災の安全性を議論するために、韓国政府はEVの安全性に対する対策が必要だと発表。EVの地下駐車場への立ち入りを禁止すべきだとの意見も出ましたが、今ですら駐車スペースが少ないのにさすがにそれは無理だと抗議の声が殺到。
とりあえずは、ソウルの集合住宅地下駐車場には、充電状態がバッテリー容量の90%以下である車両のみ駐車可能にすることを推奨する案、新たに建築する建物においては原則として充電設備は地上に設置することを義務付ける案、また、公営駐車場など公共施設の急速充電器過充電を防ぐために80%まで充電されたら自動的に充電を止める等のルールが設定される予定だそうです。
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