高地の国が生み出すリチウムとEV

2024年7月31日

南米のボリビアは高地にある国として知られています。首都のラパスは富士山の頂上位の標高があると小学校か中学校で習いましたね。また、映えスポットとしてたびたびInstagramに投稿されるウユニ塩湖も有名です。HISでボリビアのウユニ塩湖のツアー料金をしらべてみると、最低でも1人928,000円~と、とても高額。


ウユニ塩湖

ボリビアがどんな国か知ってますか?と聞かれたら、

「南米の標高が高い国で、ウユニ塩湖がある」

とは答えられても、それ以外のことはあまり知らないな…、という人も少なくないと思います。

そんなボリビアにも実は自動車メーカーがあります。Industrias Quantum Motors SAです。Quantum Motorsはまだ新しいメーカーで、2017年に設立され、鉱業用のミニ電動ダンプトラックを製造するところからスタート。今では都市型EV、電動自転車、二輪車などのeマイクロモビリティーを生産しています。また、中国メーカーの製品のライセンス販売も行っているようです。

また、ボリビア国内だけに留まらずペルー、パラグアイ、メキシコ、エルサルバドルにも事業を拡大していて、最近ではキューバにも進出を計画しているとか。

高地のボリビアでは、内燃機関両は本来の性能が発揮できなかったり、排気ガス含まれる有害物質が増え、燃費も悪くなります。また、気圧が低くなると冷却水の沸点も低くなるので沸騰温度が高いクーラントを使用する必要があります。

その点、EVはクーラントこそ使用しますが、大気が薄くて高度による出力の影響は受けにくいという利点があります。

また、ボリビアはEVに欠かせないリチウムの埋蔵量が世界最大級と言われています。ウユニ塩湖やコイパサ塩湖ではリチウム採掘が進行していて、リチウム生産プロジェクトがEVのバッテリーの供給を支える重要な基盤になります。

リチウムの埋蔵量が世界最大級なら、Quantum Motorsもどんどん伸びそうだと思うかもしれませんが、リチウム採掘事業を落札したのは中国のバッテリー大手のCATLの関連企業。

また、それ以前に中古の日本車が人気があるのでQuantum Motorsの販売台数はボリビア国内でまだ350台位だそうです。

実はボリビアでは日本の中古車が無秩序に輸入され、交通渋滞や環境問題などを引き起こす可能性があるとして、ボリビア政府は一定の年数が経過した中古車の輸入規制をしました。

ところが日本の中古車が大量に密輸されるようになり、2011年には既に大量にボリビアに密輸されてしまった日本の中古車を合法化すると言う特例を制定。

「密輸された車を合法化にするってどうなの?」

と言う声も多かったそうですが、何台密輸されたか全く把握できていない密輸車は、税金回収も困難。密輸車が増えて交通インフラに負担が増える中、政府の税収が減少していました。密輸された車に乗っていると後で面倒なことになるようですが、税金を支払えば特別に合法にする、と言う特例で6万台以上が合法化されたそうです。


出典:flickr (Robert Cutts)

また、ウユニ塩湖に行くツアーに採用される車のほとんどがトヨタのランドクルーザーです。ウユニ塩湖は塩分を含む過酷な環境、それでも壊れにくいランクルが支持されているのでしょう。

好きな車と、暮らそう。

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