Androidスマホをつくるようにクルマづくりができるかも

2024年6月17日

台湾のFoxconn(フォックスコン)と言う企業を知らない人でも、多くの日本人はFoxconnが製造した製品を利用しています。Foxconnはいろんなメーカーの製造受託先として世界トップクラスの企業です。iPhoneやiPad、Macbook、PlayStation、Nintendo Switch、GoPro等の私たちが日常的に使用する多くの電子機器もFoxconnで製造されています。

Foxconnの事業はEMS企業(製造受託企業)だけではありません、開発も行っていますし、最近は自社ブランドのEVもつくっています。FoxconnがEV開発を始めていた当初は、政府の補助金が目当てじゃないのかと言う噂もあったそうですが、最近はEV開発への投資を大幅に拡大しているようです。EVが面白いところは、TESLAやXiaomi、Foxconnのような新規参入する企業が今までのクルマづくりの概念に大きな変化をもたらすことです。

Foxconnが注目されているのは、Foxconn社のEVと言うより、今開発を進めているMIH(Mobility in Harmony)と呼ばれるEVのオープンプラットフォーム。

今までの自動車(内燃機関)のプラットフォームは、一般的にパワートレインや足回りも含む車両の土台となる構造体を指します。EVの場合、バッテリーやe-Axleもプラットフォームの一部として捉えらるケースが多いようです。

Foxconnが開発しているMIHは、プラットフォームの頭にオープンの文字がついている通り、オープンなプラットフォームであることが注目されているのです。

スマートフォンで言うならオープンソースのAndroid OS、所謂アンドロイドスマホ。GalaxyやXperia、Aquosは、SamsungやSony、SharpがオープンソースのAndroid OSを使ってスマートフォンを開発し、販売しています。OSとクルマのプラットフォーム別物なので、ちょっとわかりにくいでしょうか?また、Android OSは無料ですが、MIHのオープンプラットフォームはFoxconnから買う必要があります。

買う必要があっても、オープンプラットフォームを買ってしまえば、開発期間や開発コストを大幅に削減することができるメリットがあります。それによって車両価格は下がり、共通部品が多いと言うことは修理コストも下がります。技術的に一番難しく、コストのかかる部分をFoxconnが製造するので、例えば自動車製造技術が無いインテリア会社がEVを製造・販売する、なんてこともできるようになります。

今まで、トヨタ自動車のTNGA、日産自動車のCMF、VWのMQBのような共通プラットフォームは存在しましたが、あくまでグループ内で使用するものでした。もしこのオープンプラットフォームが成功したら、MIHをベースにいろんな企業が自動車メーカーになるチャンスが来ます。

と、誰でも簡単に自動車が作れる時代が来るような言い方をしてしまいましたが、いくら優秀なプラットフォームを買ってクルマを作ろうとしても、保安基準の適合等、かなり難しいことは多いです。とは言えハードルはずいぶん下がることは間違いありません。

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