トヨタ・ヤリスを倒したいMGの新型ハイブリッド
欧州でヤリス・ヤリスクロスのハイブリッド車がかなり売れています。
2023年、欧州で販売されたヤリスハイブリッドとヤリス・クロスハイブリッドの合計は32万台程。
欧州で販売された乗用車の動⼒源シェアは
1.ガソリン車:35.3%
2.ハイブリッド車:25.8%
3.EV(BEV):14.6%
4.ディーゼル車:13.6%
5.プラグインハイブリッド車:7.7%
6.その他:3%
2020年~2023年までの欧州ハイブリッド車シェアの推移を見ても、徐々に増えていることが分かります。
年 | シェア |
2020年 | 11.9% |
2021年 | 18.0% |
2022年 | 22.1% |
2023年 | 25.8% |
欧州市場でヤリスとヤリスクロスハイブリッドが絶好調ですが、その牙城を崩そうとしているのがMGです。一時は消滅しそうになっていたMGですが、中国の上海汽車グループ傘下になって、めきめきと力をつけてきています。
MGは先月、MG3のハイブリッド車、MG3 HYBRID+を発表しました。
これがかなりの自信作らしく、MGのCEOは
「ヤリスハイブリッドは欧州市場で非常に人気のあるモデルだが、MGはEVとハイブリッド車のラインナップを拡充さえることで、ヤリスハイブリッドの牙城を崩すことができると確信している。」
と述べています。
発表されたスペックを見る限りでは、MG3 HYBRID+の強みは、パワーでしょう。
・最高出力 194馬力
・0-100km/h加速は8.0秒
・80km/h~120km/hの加速タイムは5秒弱
大きめのバッテリーと高出力バッテリーを積んで、このクラスとしてはかなりの加速性能。また、バッテリーの電気のみで長距離走行を可能にしているそうです。
冒頭で欧州でのハイブリッド車販売シェアをご案内しましたが、このハイブリッド車のシェアをさらにフルハイブリッドとマイルドハイブリッドに分けることができます。すると、60%以上がマイルドハイブリッド車で、40%弱がフルハイブリッド車になります。
マイルドハイブリッドは、なんちゃってハイブリッド車と呼ばれたりしていますが、ヤリスやヤリスクロスのハイブリッドはフルハイブリッド(ストロングハイブリッドとも呼ばれている)です。
トヨタはどんどんフルハイブリッドモデルを出していますが、他社がフルハイブリッドを出してこないのは、恐らく技術的に難しく、特許の問題もあるのだと思います。つまりフルハイブリッドを出したくても出せないのでしょう。
気になるのが、このMG3 ハイブリッド+がマイルドハイブリッドなのか、それともフルハイブリッドなのか。MGのサイトを確認しても、まだ発売前なので詳細が載っていません。
ハイブリッドではなく、わざわざお尻に+をつけた
MG3 ハイブリッド+
にしているので余計に気になります。フルハイブリッドだと書いている海外の自動車関連のニュースサイトもありますが、まだ現時点では定かではありません。価格も分かりません。
私には専門的な知識がありませんが、従来のマイルドハイブリッドより大きなバッテリーと高出力モーターを搭載して、トヨタのフルハイブリッドと対等に戦おうとしている気がします。(違ったらごめんなさい)
もしそれが正解で、これがフルハイブリッドと呼ばれるようになったら、フルハイブリッドも”トヨタのフルハイブリッド“のように分類しないといけないですね。
ヤリスハイブリッドが凄いのは、ハイブリッド車でありながら車両重量が1050kg~1090kgととても軽いことです。過去のブログに何度も書いているので耳にタコができると言われるかもしれませんが、軽いは正義です。環境問題を真剣に考えるなら車を軽くすべき。
MG3 ハイブリッド+はヤリスハイブリッドに負けないスペックを確保しようと大きなバッテリーと高出力モーターを積んでいるようなので、その分車両重量は重くなるでしょう。その結果、故障リスクや消耗品にかかるコストも上がります。因みに、壊れにくく消費者に支持された車かどうかは中古車相場に現れます。
とは言え、消滅しそうになったMGがここまで復活しことは事実。マーケティング能力もかなり高いことも間違いありません。結局売れる・売れないは、ブランドや商品が消費者に好かれること、中身がどうであれ好かれたもんが勝ちですから。
好きな車と、暮らそう。
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