欧州で極端なダウンサイジングエンジンが減った理由

2026年9月11日

欧州では、近年、1.0L 3気筒+ターボのような極端なダウンサイジングエンジンを搭載した車両が消えつつあります。

それに変わって、1.2L~1.5L程度の4気筒やハイブリッドへ置き換えられる流れが強くなっています。

ダウンサイジングエンジンが減った理由?

では、なぜ1.0L+ターボのようなダウンサイジングエンジンが消えつつあるのでしょうか。

まず、代表的な例は以下になります。

・Fiatの0.9 TwinAir
・Renaultの0.9 TCe
・VWグループの1.0 TSI

小さな排気量からターボで大きなパワーを引き出す極端なダウンサイジングでは、高負荷時にエンジンや排気系の温度が非常に高くなりやすいという問題がありました。

高負荷(高速走行や急加速)時に、エンジン保護や排気系温度の上昇を抑えるために、燃料の蒸発による冷却効果を利用するため、燃料を意図的に大目に噴射する必要がありました。その結果CO2排出等の排ガスに悪い影響を及ぼし、これがRDE(実走行排ガス試験)やEuro 7の評価で不利になるのです。それが理由で生産終了や縮小、別エンジンへの置換えが始まりました。

ただし、Renaultの0.9 TCeは排気量を少し増やして1.0 TCeにして燃費・CO2排出量を改善した新世代エンジンに移行しました。

また、消えたのは1.0L+ターボだけではありません。1.0LのNA(自然吸気エンジン)も別の理由で今後段階的に淘汰される見込みです。代表的な例では、ルノーのSCe 65(1.0L NA)エンジンです。このエンジンはメーカー側にも消費者側にも大きなデメリットがありました。SCe 65はかなり安価なエンジンで、たくさん売れないと採算が合わない薄利多売前提になっていました。

安いと言う事は消費者側にはメリットですが、遅いという決定的なデメリットがありました。65馬力しかなく交通の流れに乗るために常にアクセルを深く踏み込まなければなりませんでした。もう少し予算を上げて一つ上のエンジン搭載車両を購入する消費者が多く、薄利多売が実現できませんでした。

ベストな選択はハイブリッド車?

内燃機関車として、排ガスやCO2規制をクリアしつつ実用燃費を稼ぐ手段としては、ストロングハイブリッドがベストだと思います。

今までハイブリッドに否定的だった欧州の自動車メーカーも、ルノーのE-TECHやVWの1.5L フルハイブリッドを採用し始めました。欧州メーカーはストロングハイブリッドをEVまでの一時しのぎではなく、重要なパワートレインとして認め始めたと言えます。とは言え、約30年かけて熟成されたトヨタのハイブリッドと比べ、技術・信頼性・コストの面で大きな差を付けられていますので、この差をどう埋めるのかが大きな課題と言えます。


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