AIを活用した交通違反取締の効果は?

2026年6月17日

海外では交通違反の取締にAIの導入が始まっています。

オーストラリアでは、地域によって撮影した画像をAIが分析し、運転中のスマートフォン使用(ながら運転)やシートベルト未着用を検知し、後に罰金の通知が送られてくるそうです。

ベトナムでも、主に都市部に設置されたAIカメラがリアルタイムで画像を解析し、信号無視、ヘルメット未着用、ながら運転、車線違反、逆走、停止線不遵守などを検知し、違反者を検挙しています。

AI取締の効果はあったのか?

オーストラリアでは、AI取締導入後に違反者と事故件数が目に見えて減ったそうです。ニューサウスウェールズ州のデータによりますと、パイロット期間中には(検挙をしない試運転期間)82台に1台(1.2%)だったドライバーのスマホ不正利用率が、AIカメラの本格稼働後には585台に1台(0.17%)にまで激減しました。ドライバーの行動を大きく変えることに成功しています。パイロット期間中に警告書が届いたドライバーは「AI取締はやばいぞ」と思ったことでしょう。

ベトナムでは

ハノイ市
約1,800台のAIカメラを本格稼働させたところ、1ヶ月間で約6,300件の違反を自動検知(うち約66%が信号無視、約32%がヘルメット未着用)。単に違反者や交通事故が減っただけではなく、交差点での強引な割り込みやが急減し、主要渋滞ポイントでの移動時間が20〜36%短縮。副次的な渋滞緩和効果も出ています。

ホーチミン市
AIカメラの導入によって、街頭に立つ交通警察官の数を減らしつつ、24時間体制での取締が可能になりました。

ギリシャでの失敗例

オーストラリアやベトナムではAIを使った交通違反取締が上手く進んでいますが、失敗例もあります。

ギリシャでは2026年4月〜5月、アテネ・アッティカ地域に設置された8台のAI取締カメラによるパイロット(試験)運用を行ったところ、深刻な課題が浮き彫りになりました。

最も話題になった誤検知は、シートベルト未着用です。人が座っていない空席をシートベルト未着用と判断してしまったり、ダーク色の服を着ていると、シートベルト未着用と誤認。

また、電子タバコの吸引やシフトノブの操作など、スマホとは無関係な仕草を携帯電話使用と誤認したケースもあったそうです。

恐ろしいことにギリシャのAI交通違反取締の検証通過率は約7%だったことです。AIが違反と認識した5,500件のデータのうち、人が確認したところ、5,100件(約93%)が誤検知や違反の証拠にならないデータでした。

ギリシャ政府は8台のAIカメラを試運転させていました。上手く行けば1000台購入して本格稼働する予定でしたが、一旦この話は頓挫しています。

日本もAI取締がはじまる?

まだ日本ではAIの交通違反取締の動きはありません。ただ、今後海外のAIを活用した交通違反取締の成功例が増えてきたら、導入を検討する可能性があると思います。AIを活用できれば人(警察官)を使った交通違反の取り締まりは観測作業の比重が大きく、警察の人員不足を解消できるかもしれません。


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