ぱっと見区別がつかないゴーストプレート
一昔前の日本では、車のナンバープレートにスモークがかったプラスチックカバーを被せたり、ある程度スピードを出すと風圧でナンバープレートがパタンと倒れる「風圧可倒ナンバーステー」というパーツがカー用品店などで堂々と売られていました。風圧可倒ナンバーステーは「ラジエーターの冷却効率UP」と言う謳い文句で販売されていましたが、その実態は明らかにオービス対策でした。現在では法改正によりこれらのアイテムは完全に姿を消しましたね。今、海外では新たな取締り逃れの手口が大きな問題となっています。
欧米で蔓延するゴーストナンバープレート
イギリスやアメリカ等の欧米諸国で問題となっているのが、アンチナノフィルム、アンチレーダーステッカー、ゴーストプレートと呼ばれる特殊なフィルムやコーティング剤です。昔の日本のナンバーカバーとは異なり、パッと見ただけではフィルムが貼られていることすら判別できません。肉眼で見る限りは、ごく普通のナンバープレートにしか見えないのが最大の特徴。
なぜカメラにだけ写らないのか?
このゴーストナンバープレートは、カメラも人間の目も、単純に同じものを見ているわけではありません。
一見普通のナンバーがオービスや自動ナンバー読取装置にだけ写らなくなる秘密は、取締りカメラの仕組みと光の反射にあります。
オービスや自動ナンバー読取装置は、夜間や悪天候でも確実にナンバーを読み取れるよう、撮影時に強力な赤外線フラッシュを照射します。アンチレーダーステッカーには、この赤外線や強いフラッシュ光だけをレンズに向かって強烈に跳ね返す特殊なナノフィルムやマイクロプリズムが組み込まれているのです。人間の目(可視光)には通常の黒い文字に見えても、カメラがフラッシュを焚いた瞬間にナンバー全体が真っ白に光り(白飛び)、文字が判読不能になる、という仕組み。
製造メーカー、Alite社の独自の言い分
このような製品を製造・販売している代表的な海外企業がAlite社。彼らは自社のウェブサイトやSNSを通じて、これらの製品を自己防衛ツールとして主張しています。
彼らの主張は
不当な罰金稼ぎや過剰な監視社会から愛車と個人のプライバシーを守るため
SNSで勝手に撮影・拡散されることを防ぐ(デジタルフットプリントを減らす)
我々の製品は肉眼での視認性を妨げないため合法だ
というものです。
あくまで自社の製品を売るために都合よく解釈し、それを主張しているだけ。
イギリス当局の苦悩と取締りの限界
しかし、メーカーの主張するプライバシー保護とは裏腹に、現実は組織犯罪や悪質な交通違反の温床になっています。英Express紙の報道によりますと、イギリスでは現在、道路を走る車の「15台に1台」がゴーストプレートを使用していると推計されています。スピード違反の回避だけでなく、通行料の未払いやひき逃げ、さらには強盗などの重大犯罪に悪用され、警察の捜査・追跡を困難にしています。
日本では明確に違法
海外でこれほど猛威を振るっているアンチレーダーステッカーですが、日本国内では明確な違法(道路運送車両法違反)です。2016年の法改正により、ナンバープレートの表示基準が厳格化されています。文字が見える・見えないに関わらず、ナンバープレートの表面にシールや透明なフィルムを貼ることが全面的に禁止されています。50万円以下の罰金や違反点数の加算を受ける対象になります。
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