英国のEV普及の足かせになるかもしれない、ある問題

2026年5月24日

英国は欧州の中でも特にEV導入に積極的です。

ところが、ここに来てある問題が英国のEV普及の足かせになる恐れがあると指摘されています。

中古EV価格の急落

EV普及の足かせになる課題は、中古EV価格の深刻な価格下落です。自動車調査会社のIndicataの調査によりますと、新車登録から3年が経過したEVの残価を欧州主要国で比較したところ、英国は際立って低い数字を記録しました。

  • 英国の中古EV残存価値38%

  • 他の欧州主要国(ドイツ、フランス、スペインなど):46%以上

ちなみに、英国の3年落ちのガソリン車の残存価値は45%、プラグインハイブリッド(PHEV)は51%です。つまり、英国ではガソリン車や他の欧州国と比べても、EVの価値が急激に目減りしていることが分かります。

中古価格下落がなぜ問題?

中古車が安く買えることは、中古車を購入する消費者にとっては良いことです。しかし、新車や自動車業界全体にっては、かなり深刻な問題になります。英国では残価設定型ローン(PCP)やリースで購入する人がとても多い特徴があります。つまり、予想残価率が低いと、ファイナンスが損失を避けるために、ローンの支払額を大目に設定するってことになります。

例えば500万円の車で予想残価率が50%と38%だった場合

  • 500万円 – 250万円(50%)=250万円
  • 500万円 – 190万円(38%)=310万円

単純計算で60万円も余分に支払いしなければなりません。

でも中古EV販売は好調

相場が大きく値下がりした中古車は、お買い得が増し、加えて中東情勢の影響も追い風となって、中古EV販売は好調です。

ややこしいのは、

中古EV需要は増える=残価率も高くなる

とはならないことです。

EVは成長過渡期で、信頼性のデータが少ないだけではなく、2~3年経過で過去の車になってしまいます。(例えば航続距離可能400kmが3年後には600kmになっている等)。ファイナンスも内燃機関車のような蓄積したデータが揃っていないので、古くなったEVの維持費が予測できないため、残価を低く見積もらざるを得ないのです。

中国製EVブランドの急激な流入も影響?

BYDやChery等の中国のEVメーカーが英国市場で急激にシェアを伸ばしています。今までほとんど走っていなかった中国EVが突然大量に流れ込んできた英国。予想残価設定が低くなってしまうのは、「データがない」という金融会社が最も嫌うリスクを回避するため。

しかも中国EVは価格の割に航続距離が長く、最先端の装備や豪華な装備で武装しています。しかも進化が早いので、中古車相場を混乱させる原因にもなります。


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