運転支援システムの進化と、自動化のパラドックス
いずれ自動運転が実現する時代が来ることは思いますが、まだまだ道半ば。
思ったよりずっと時間がかかる可能性もありますが、何か新しい技術をきっかけにどこかで急速に普及すことがあるかもしれません。
Mercedes-BenzのDRIVE PILOT、TeslaのFull Self Driving、GMのSuper Cruise、ToyotaのAdvanced Drive等、各自動車メーカーも完全自動運転にはまだ遠く及ばないものの、運転支援機能の開発に力を入れています。
実際にこれらの機能を高速道路等で使ったことがある人ならこう思うのではないでしょうか。
「これ、ほぼ自動運転だ…」
と。
もちろん現時点の運転支援システムは、基本的には何か事故があった場合ドライバーの責任になります。基本的に、と付けた理由は、システムの誤作動等、重大な欠陥やバグが発生した場合はメーカーが責任を負うことになる可能性があるからです。現時点ではメーカーも必ず「これは自動運転ではありません」という形でユーザーに同意を求めています。
運転支援で起こる問題
運転支援が自動運転に近づく程に起こりうる問題は、睡魔です。
運転支援システムが優秀になればなるほど、運転席に座っている人間は
「することがない退屈」と「車が何とかしてくれるという過信」
によって強い睡魔やSNSの新着情報確認の誘惑に襲われます。もちろん自動車メーカーもそれを分かっているので、ドライバーの居眠りや脇見を防ぐための監視システムを導入しています。
Teslaはこれを防ぐためにFSD Strikes(ストライク)という興味深いい制度を導入しています。FSDストライクとは、FSD(Full Self Driving)使用時にスマホ操作や脇見運転を検知すると警告を出し、ドライバーがそれを無視するとストライク判定を出そます。このストライクが一定回数たまるとアウト、FSD機能が1週間使用できなくなるのです。
監視機能のすり抜け
このように、自動車メーカーは現時点の運転支援が万能では無いことを知らせるために、あらゆる努力をしています。しかし、監視機能も万全ではありません。
カナダの高速道路でテスラを運転しているドライバーが完全に寝落ちしている映像が話題になっています。時速100km程で走行していたドライバー爆睡中のテスラには、子供2人も同乗していました。この地域、自動運転は法律で禁止されており、テスラのFSDでの寝落ちは極めて危険かつ違法な行為。
なぜ監視機能が作動しなかったのでしょうか?その答えはドライバーが着用していた大きなサングラスです。テスラは車内カメラで視線監視をしていますが、今回のケースではこの大きなサングラスが原因でシステムが機能していませんでした。サングラスや帽子で目が隠れると、カメラによる顔認識や居眠り検知が作動しなくなることがあるのです。このことはテスラの取扱説明書にはも明記されているそうです。
このように、運転支援システムが進化するほど、人間は「車が何とかしてくれるだろ…」という妙な万能感や安心感を抱きやすくなり、それが注意力の低下や居眠り運転を誘発することがあります。これは、技術が高度になるほど、かえってリスクが高まるという「自動化のパラドックス」の典型例だと言えます。
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