ルノーとステランティス、“欧州版軽自動車”で中国勢に対抗なるか?

2025年6月24日

ステランティスとルノーが、日本の軽自動車の規格からヒントを得て、小型EVに特化した新しいカテゴリー”eカー”あるいは”M0″を導入すべきだとロビー活動を展開しました。

彼らが主張している内容は以下

  • 自動車は安全や環境に対する規制が年々厳しくなっていて、それが車両コストを押し上げている。
  • その解決策として、サイドエアバッグや車線逸脱警告システム、居眠り検知センサーといった一部の義務化されている安全装備の簡素化を求めている。
  • 特に、都市部での利用を想定した小型車には、高速衝突のような安全要件は必要ない。

ロビー活動の背景

では、なぜこのような発想が生まれたのでしょうか。それはBYD等の中国自動車メーカーの台頭です。中国の自動車メーカーが先進機能満載の自動車を20,000ユーロ以下で投入。ルノーはルノー5のEVを例に出し、中国のEVより5000ユーロ高くなっていると述べています。 装備を簡素化することによって、この5000ユーロの差を無くそうとしているのでしょう。

課題が残る提案

“安全装備を簡素化できるカテゴリ”の発想は、日本の軽自動車からヒントを得たそうですが、日本の軽自動車の真の価値は妥協の産物ではありません。限られたボディサイズやエンジン排気量の制約の中で、最大の魅力やパフォーマンス、安全性能を引き出すために大変な努力を重ねてきました。

また、欧州版の軽規格であるeカーやM0のカテゴリーが仮に誕生したとしても、当然中国の自動車メーカーも同カテゴリーで販売できる自動車を瞬時に投入してくるでしょうから、ルール変更によるゲームチェンジは実現しないどころか追撃を加速させる可能性もあります。

ただ、自動車価格が上昇している今、このeカーやM0カテゴリーは、EUの低所得者や年金生活者にとってはメリットになると思います。年金生活者に支持されるのであれば、ペダルの踏み間違い防止機能と衝突被害軽減ブレーキは必要かな?


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