トランプ大統領の関税政策が自動車産業に与える影響
トランプ大統領がメキシコとカナダからの輸入品に対し、25%の関税を課す大統領令に署名しました。
この関税政策が、世界の自動車産業に大きな影響を与えると予想されています。今日の日経平均株価もこれに反応し、大幅な値下がりがありました。
メキシコとカナダの自動車生産工場で生産される車両の70%がアメリカ向けです。特に各国の自動車メーカーは人件費の安いメキシコで大量に自動車を生産しています。
S&P グローバル傘下の自動車産業調査部門、S&P グローバルモビリティが、今回の関税政策で最も影響を受けるであろう自動車メーカーはフォルクスワーゲンだ、と報告しています。
アメリカ国内での自動車販売台数のうち、メキシコで生産されている割合が最も高いのがフォルクスワーゲン。複数の課題に直面しているフォルクスワーゲンにとって、トランプ大統領の関税政策は泣きっ面に蜂状態です。
米国販売車のうちメキシコ生産の割合の順位は
1.フォルクスワーゲン:43%
2.日産自動車:27%
3.GM:22%
4.フォード:15%
5.ホンダ:13%
6.トヨタ自動車:8%
6.ヒュンダイ:8%
GMとフォードもまあまあメキシコ生産に依存しているのですね…。
自動車業界にとって今回の関税政策の厄介なことは、完成車にかかる関税だけではありません。
・メキシコとカナダで生産される自動車部品の50%近くがアメリカから輸入されています。
・逆に、メキシコで生産される部品の90%近くがアメリカ向けに輸出されています。
つまり、1台の車が完成するまでに、部品やパーツが国境跨いで行ったり来たりを繰り返しています。
メキシコで製造された部品をアメリカに輸出する際に関税が発生。アメリカでその部品を使ってでパーツを製造し、メキシコに送って自動車を製造。メキシコで完成した自動車をアメリカに輸出する際にも関税が課されることになります。
実際にはとても複雑ですが、簡単なイメージにすると↓のような感じでしょうか。
特定の原産地規則を満たす場合、関税が免除される等の条件があれば、アメリカで組み立てるパーツの部品は免除されるのかもしれませんが、まだ詳細は不明。
トランプ大統領の関税政策に対して、カナダやメキシコが報復措置を準備しています。トランプ政権はその報復関税にも報復する可能性を示唆していますから、しばらく世界的な貿易環境が大きく混乱しそうです。
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