衝突被害軽減ブレーキが苦手な着衣がある
最近の車には対歩行者の衝突被害を軽減する機能、AEBが装備されています。AEBは、Autonomous Emergency Brakingの頭文字をとった略称です。
AEBは万全ではありませんが、人身事故を減らす効果は認められています。
「AEB?そんな機能いらん!」
と言う人もいると思いますが、人は判断ミスもしますし、人間の反射神経・運動神経では回避できないアクシデントに遭遇することもありますから、AEBは無いよりはあったほうが事故率は間違いなく下がります。
アメリカで交通事故を減らすために車の安全性等をチェックする自動車アセスメントのIIHS(米国道路安全保険協会)が、AEBに不得意な分野があることを公表しました。
AEBは昼間と夜間とでは、昼間のほうが正確に作動します。人間でも夜間より昼間のほうが人や物を発見しやすいので、そりゃそうでしょ、と言う結果でしょうか。
ところが、IIHSは試験の意外な結果があることも公表しました。夜間に車のドライバーが人を発見しやすいよう対策された、反射ジャケットがAEBのセンサーの認識を妨げる恐れがあるそうです。
ダミーの人形に反射素材のジャケットと黒いスウェットパンツを着せ、暗い場所で横断歩道付近に置きます。
明かり無し、10ルクスの明かり(薄暗い廊下程度の明るさ)、20ルクスの明かり(薄暗い部屋程度の明るさ)の3パターンで時速約40kmで走行した車両のAEBをテストしました。
- テスト車両
・スバルフォレスター
・ホンダCR-V
・マツダCX-5
と、なぜか日本車ばかり。 - テスト着衣
・白い服
・黒い服
・反射ジャケット(ジャケット全体が反射するもの)
・反射ストリップ(細い帯状の反射素材が縫い付けられたもの)
の4種類
テストの結果は
- スバル・フォレスターは非常に優秀
ほぼ全ての状況で完璧に近い減速性能(ほぼ100%)を示し、反射ストリップ付きの服でも良好な結果(10ルクス照明下で82%減速)を出しています。 - ホンダCR-VとマツダCX-5は反射素材に課題
特に反射素材を含む服装に対して、減速性能が大きく低下する傾向が見られました。
反射ジャケット: CR-Vはどの照明でも全く減速せず、CX-5は暗い状況ではある程度減速するものの、明るい状況では逆に性能が悪化。
反射ストリップ: CR-VとCX-5は、どの照明でも全く減速しない。反射材がセンサーの認識を妨げている可能性が示唆されます。
スバル・フォレスターのAEB、つまり”アイサイト”は歩行者認識技術の高さが際立っていることが分かる結果になりました。
今回のIIHSのテストは4種類の着衣で行われましたが、現実世界では歩行者は様々な体格、服装をしています。また、気象条件等周囲の状況にもよでしょうから、テスト結果がそのまま実際の事故状況を反映するわけではありません。
引き続きドライバーは安全運転で、歩行者は車に注意することが必要です。
好きな車と、暮らそう。
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