ロスの山火事、EVバッテリーは山火事延焼の要因ではない

2025年1月12日

大規模な災害が発生すると、必ずデマや陰謀論が広がります。そうなると火災の消火活動だけではなく、デマや陰謀論の火消しもしなければならなくなります。

ロサンゼルスの山火事でも、火災の原因が指向性エネルギー兵器攻撃説や、中国が資金提供する高速鉄道開発を阻止するために火事を起こした説が浮上。街が焼失して焼け野原になっているのにヤシの木が残っているのは不自然で、これは熱攻撃によるものだ!との陰謀論を唱える者も。(ヤシの木は厚い樹皮と水分含有量が多いので燃えにくいだけ)

デマや陰謀論ではありませんが、掲示板型SNSのReddit上で、電気自動車が火災の延焼を激化させた、との議論が巻き起こっています。

「道路に捨てられたEVが火災を広げた」

と言う声もあれば、

「ガソリン車のガソリンが火災を広げたんだ」

と言う意見もあり、激しい言い争いに。しかし、この手の議論は証拠に基づいて行われている訳ではないので、自分の意見・主張が通りやすいよう切り取られた情報を持ち出している可能性があります。所謂チェリーピッキングというやつですね。

特にEVのリチウムイオンバッテリーは燃えてしまうと消火が極めて困難なので、

「EVが火災を悪化させたに違いない」

と思う人が出てくることは当然かもしれません。

今回のロス大規模火災について消防士は、EVの消火に特別注意を払って消火活動をしていたそうです。おそらく近づいた時に突然勢いよく高温の火を噴き出す可能性があるからだと思います。

しかし、消防士はこうも述べています。
規模が非常に大きな火災で、激しい炎の猛威の前ではEVであろうがガソリン車であろうが被害規模を左右するものではない、と。

今回のロス近郊の火災は非常に強い風の影響を受けて広がりました。CNNによりますと、1分間でサッカーコート5面分の勢いで火が拡大したそうです。また、風が強いほど酸素供給量が増えて燃焼が促進され高温になります。湿度が10%程度と低かったことも、より高温になったみたいですね。

EVに対するネガティブな声が上がる一方で、テスラのある機能によって煙が蔓延する道路を安全に走行して無事に避難するころができた、とXに投稿した人も。そのテスラのある機能とは、バイオウェポイン・ディフェンスモード。直訳すると生物兵器防御モード。テスラの空調モードの1つで、HEPAフィルター(高効率粒子状空気ろ過フィルター)と呼ばれる高性能フィルターが、細菌や煙等の粒子を除去してくれるそうです。この投稿者はテスラモデルYのフルセルフドライビングのhurry modeを使って避難したらしく、もうテスラ以外の車は買わないとコメントしています。

もし同じような状況になり、バイオウェポイン・ディフェンスモード機能が無い車で避難するときは、内気循環モードで走行しましょう。


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