EVに関税かけられた中国自動車メーカーの次の戦略
中国の自動車メーカーが政府から多額の補助金を受けていたことに対し、EUは「公正な競争を歪めている」と判断し、EU内の自動車産業を守るために中国生産のEVに高い関税を課すことを決めました。
中国の自動車メーカーは、ハンガリーに自動車生産工場を建設し、「Made in Hungary」にして関税を回避しようとしたり、EUと関税同盟関係にあるトルコへの自動車生産工場建設を計画しています。
さらに中国は次の戦略も進めています。欧州では購入補助金が打ち切られてからEV販売が不調です。中国の自動車メーカーにとって、EUで需要が高くなっているハイブリッド車を生産して輸出すれば売れる可能性があり、さらに関税の対象は中国生産EVなので、ハイブリッド車ならそれも回避できます。今後はどんどんハイブリッド車を生産してヨーロッパ市場のシェア拡大を目指すと思われます。
既に中国自動車メーカーのハイブリッド車の輸出は急増していて、2024年のハイブリッド車輸出は20%増加すると予測されており、来年の2025年にはさらにこの数字が加速すると言われています。
特に警戒しているのはBYDのDM-iと呼ばれるPHEV(プラグインHYBRID)のシステムです。かなり高性能らしく、DM-iに使用されるエンジンの熱効率は世界最高水準。具体的には、第5世代のDM-iシステムは熱効率が46.06%に達しているそうです。第5世代のDM-iは、新型の秦L DM-iと海豹(SEAL)06 DM-iに搭載されています。高出力でありながらとても燃費が良く、CO2排出量も少ないそうです。
中国はエンジンの開発技術が欧米や日本と比べて遅れていたので、EV路線を進んでいましたが、エンジンの開発にも力を入れていました。欧米や日本の知的財産権の障壁があって、自動車の開発で苦戦していた面もあります。しかし、中国は2021年に発表した15年計画で、知的財産権を強化する長期的な国家戦略「知的財産権強国建設綱要」を打ち出しています。広州汽車集団(GACグループ)は毎年約2,500件の特許を出願していますので、今度は中国がどんどん特許を取得して知的財産権の障壁を作ってくる恐れがあります。
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